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「はぁ…寒っ……！」
かじかむ両手に白い息をあて
擦りあわせる。
暖をとろうとするが、回りの外気は
私の体温を易々と奪い去っていく。
ただ今、白鳥沢学園の校門前。
身を切るような風が制服をすり抜け肌に届く。
冬の空はよく澄んでいて
透き通った大気の向こうに
星が踊っているように見えた。
なんでこのクソ寒い中立っているか。
…彼氏である、川西太一を
待っているからである。
彼は我が校のバレー部員。
しかも2年にしてスタメン。
毎日のように厳しい練習。
そろそろ代交代の時期でもあるので、
最近は最上級生としての自覚を持ち始め、
更にバレーに専念しているようだった。
そんな彼を、ここで待っている。
「おーい、Aー」
ふと、大好きな声が私の名前を呼んだ。
「……！ 太一、お疲れ様！」
見ると太一が他の2年生部員と共に
こちらに向かって歩いていた。
「ん 」
「…帰ろっか」
「ん 」
太一はいつも通りの薄い反応で返事をし、
部員達に手を振り私の隣まで歩いてくる。
「今日朝は暖かかったのに夜は特別寒いねー。
手袋わすれちゃった 」
「冬だしな。陽が落ちたら冷えるよ」
「だねー」
太一は寮生。
私は学校の近くのバス停からバスに乗り
少し歩いたところにある自宅通い。
太一は校門からバス停まで私を送ってくれ、
そのあと寮へと帰る。
バス停から寮へ行くまでは
少し道を引き返さないといけないのだが、
部活が忙しいから会える時に会っとこう。
と、一緒に帰り出してからはほぼ毎日
送ってくれる。
優しい人だ。
「あ、もうバス来てる…」
一緒にいる時間少なかったな…。
「ん、ほんとだ。 じゃ、また明日A」
「うん…、おやすみ太一…」
「寂しそうにするなって。明日も会えるだろ」
太一はそう言って少し笑って
私の頭をくしゃっと撫でる。
「うん……、わかってるよ…また明日ね」
「ん、じゃあな」
バスに乗り込む。
座席に座ってバス停を見ると
太一が小さく手を振ってくれた。
嬉しくて車内から手を振り返した。
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佐佐木 燈夏(プロフ) - 宇 多さん» お好みのお話でしたか、大変嬉しいです！＼(^0^)／お気遣いまで…、ありがとうございます！きちっと完結させますので、それまでよろしくお願いします〜！m(_ _)m (2018年9月18日 22時) (
レス) id: e40b23aa69 (このIDを非表示/違反報告)
宇 多(プロフ) - コメント失礼します。こういう展開が個人的にとても好きな上、太一が凄く好きだったので見つかって嬉しいです。暑い日が続きますがお体には気をつけて、更新を楽しみにしております(*´ｰ`*) (2018年8月15日 18時) (レス) id: 0eebc288f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐佐木 燈夏 | 作成日時：2018年4月7日 0時
