( 18 )バブみとは ページ9
同居生活が始まってしばらく。学校から帰ってきて用意されたごはんを食べた後、机に参考書を開いてうなる。うーん………高校の勉強、懐かしすぎて忘れてること結構多いんだよなあ。
風呂上がりでアイスを食べてる松田さんに、声をかける。
『松田さん化学得意?』
「ん?あー……まあ、危険物取扱は化学分野だからなぁ。学生のころは得意だったけどよ。どうした」
『まじすかヘルプミー!』
「あぁ?ちゃんと自分で考えたのかよ」
『めっちゃ考えました超考えたけどさっぱり分からん。』
「ったく、しょーがねえな。」
松田さんがひょいと横から私のノートを覗き込む。ふわりとシトラス系のシャンプーの匂いが鼻をくすぐって、ん?と首を傾げた。
『……あれ、匂い違う?』
「は、俺くせえ?」
『いや、多分シャンプー……?あれ、私のと違う気がします。』
「ああ、さすがにお前のを男三人が使うってのもな。俺たち用買ったけど……普通に風呂場に置いてたろ。」
『まじすか。全然気づかなかったわ。』
「お前ほんと注意力ねえよな?ぜってー警察にはなれねえわ。」
『なる気ないんでいいです』
おーそうしろそうしろ、とノートになにかさらさらと書き込みながら松田さんが答える。
いや警察はまじないね。元の世界に帰って就職となってもないね。私みたいなのがなったら終わりよ、警察官。
てかそもそもなれんな。
( っていうかなぁ……明らかに、逆の立ち位置にいたわけだし?)
警察ってワンピースの世界で言う海軍的なもんやろ??敵対してましたァ〜〜〜!!
いや潜ってた時期もあったけど!!まあまあ楽しかったけど!盛大に裏切ったもんね!反省はちょっぴりしてるけど後悔はしていない。
「ほら出来た。」
ペンをぽい、とおく松田さんの声にはっと意識がもどる。
『ん?……おお、おー……?
……あ、分かった!』
書き込んでくれた式を見てポンと手を打つ。あーなるほどね!解決!
『ありがとうございます!
でもよく覚えてますね、こんなん。学生のころ1回やっても忘れません?』
「記憶力の差じゃね?……というかお前、そもそも今学生だろ。」
松田さんが呆れたような目でこちらを見る。ン〜〜あっぶね!!私年齢詐欺ってるからさ!いやまぁ大学生も学生なんだけどね!?
『ま、まあそうなんですけど〜……』
苦笑いで問題に向き合おうと下を向くと、ソファに寝っ転がってテレビを見ていた萩原さんがひょいと上から覗き込んできた。
1574人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むう(プロフ) - 続き楽しみです! (10月6日 23時) (レス) id: 0b84ecb32f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (6月15日 15時) (レス) @page12 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2022年11月25日 19時) (レス) @page12 id: 48cafece7d (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - お、終わりですか!???!(´TωT`)可能であれば続き待ってます! (2022年3月15日 5時) (レス) @page12 id: 0eef4a91ab (このIDを非表示/違反報告)
雀 - とっても面白いです。続きを楽しみにしてます。 (2021年12月8日 20時) (レス) @page12 id: 2e973fc2c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もちチーズ | 作成日時:2019年3月25日 0時