ジャージ系JKはトリップ先でゆるーく頑張る３【名探偵コナン】

（ １９ ）ナイトメア爆誕 ページ11

ふあぁ、と大きな欠伸をして、電車に揺られる。


『バイトめんどいなぁ……』


ＧＷに入ってから始めたバイトに向かってる途中、音楽を聴きながらぼんやり外を眺める。

私は最近リニューアルオープンした水族館でバイトをしてる。まあ、なにをしてるかっていうと……



「わーーーくまさんだーー！」

「風船ちょうだい〜〜！」


……ま、こういうことだ。


着ぐるみってさあ、時給いいんだよねえ。いやだって、男三人養っていかなきゃいけないわけだよ？それなりに金稼がなきゃだしね！

多少暑かろうが蒸れようが子供にボカスカ殴られようが、まあ体力オバケだし、なんとかなるのさ。

日給１万五千円だから、ＧＷフルではいればそこそこいくなぁ、とほくそ笑みながら風船を子供たちに配っていた時だった。


『ンッ？！！』


遠くに見えた頭に、思わず変な声が出た。

いやまて……あの触角……


( コナンくんじゃーん！！！ )


待ってなんでこんな所にいんの？！嘘でしょう。コナン君いるところに事件あり、じゃん……まぢか……ﾑﾘぽ……。

東都水族館……え……なにかあったっけ……んんん〜〜〜？？？


「ねえねえ！くまさーん！ちょっといいかなあ？」

『っ！！？？』


ビクゥ、と思わず肩が跳ねた。考え事してたらいつの間にかゼロ距離に死神が…！

最強だから何だろうが、死神はこええよ。知らんとこで人死にそうだし、映画とか始まっちゃったら爆発したりしちゃうし……。


( ……映画？)


「ねえくまさん！あのさ、この人見なかった？」

見せられた携帯の画面に映っていたのは、銀髪の綺麗な女性で……って、え、これ……


(キュラソーじゃん？？)


まじかぁ！アーーッ、東都水族館！！！！成程！ハァーッ！！


(純黒かぁ！！！！！！)


「くまさん？」


きゅるん、としたコナン君の声にハッと意識がもどる。そして、慌てて首を横に振った。見てねえ見てねえキュラソーなんて見てねえ！巻き込むでない！


「そっかあ、ありがとう！」


そう言って駆けていくコナン君の背中を手を振って見送る。


(え、待ってつまり……いまから……映画始まるんか……？)


え、あの観覧車がコロコロするやつう……？まじでえ……？そんなんアリかよぉ……。


『やっちまったなァ！』


バイトチョイス、ミスりましたー！

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