ジャージ系JKはトリップ先でゆるーく頑張る【名探偵コナン】

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コナンくんが、探るように私に尋ねる。


「言えないことでもあるの？」


疑い深いというのも、考えもんだなー。
普通の視点でみれば気づくことに、気づけない。

少年や。人が隠したいことは、疚しいことだけじゃないんだよ。言えば場の雰囲気を悪くするとか、個人的に辛い思い出だとか、単純に心の中に秘めておきたいこととか、さ。

自分にとって知らないものがある、ということが嫌な性分なんだろうけど。


…………とかなんとか偉そうに言いながら、私は疚しいことがあるから言いたくないんですけどね！嘘だし！！所詮設定だし！！！両親ともに別世界でピンピンしてますし！！



────ただ、この世界に家族がいなくてひとりなのは、本当だけどね。


真実が混ざっているから、私は何も無いかのように笑って嘘がつけるのだ。


『ただたんに、両親共に故人なだけですよ。』

「っあ……ごめんなさい。」


淡々とした音色で答えると、コナンくんが気まずそうに謝って、安室さんは軽く目を見開いてそっと視線を落とした。さすがぁ、演技派やな。コナンくんが少し気まずそうにしてるのは、本当に知ってたのか、演技なのかどっちかわかんないけど。


「そうでしたか……突っ込んだことを聞いてしまってすみません。」

『別に気にしなくていーですよー。事故だったんですけどその時ゴツンと頭打ってあんま覚えてないんで。』

「事故、ですか。」

『なーんか車の故障でブレーキが効かなかったみたいです。両親と３人でいたんですけど私だけ無事でしたねぇ』


あっけらかんと話す私に、蘭と園子が「そんな……」と息を呑んだ。

ほらこうなるじゃん？こういう雰囲気になるじゃん？さっきまでピンク色の雰囲気だったのにさ！グッピーちゃん死んじゃうわよ！

重くなった雰囲気を拭うように、明るい声を出した。


『そこら辺から姉とは連絡が取れなくなっちゃいまして。まー元々ほんっっとに自由人だったんでそれほど気にしてないです。だから皆もそんな気にしなくて大丈夫ですよ。一人でも案外なんとか生きていけるもんですし！』


そう言ってへらりと笑う私に、なぜか痛ましげな顔をする四人………え、ちょ待て待て雰囲気を重くしたかったわけでは！！もうこやつに裏で色々探られるくらいなら言っちゃお☆ってだけ！

ま、といっても神様と私で考えた設定を、ってことだけどねー！

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