ジャージ系JKはトリップ先でゆるーく頑張る【名探偵コナン】

（５）目、見えてる？ ページ26

次の日の学校でのことだった。

帰りのSHRが終わって、さて帰ろうかと席を立ったとき、蘭がニコニコ顔で話しかけてきた。


｢あ、そういえばA！安室さんがね、ぜひポアロに遊びに来てくださいって。あの人私の家の下の喫茶店の店員さんなの！珈琲が美味しいよ｣

『へえ、そーなんだ！機会があればゼヒ。でも私、珈琲飲めないしねー』


打算しか見えないよ！さらっさら行く気しないわ。純粋な気持ちにしても、マジで珈琲飲めないし。

あ、それじゃあ、と蘭が人差し指を立てる。


｢ハムサンドもすっっごく美味しいの！｣

『え、まじ？』


やっべ釣られかけた！！よくないわー。食べ物で釣るのよくないわー！


『だが残念。今日はタイムセールの日なので帰りまっす！ごめんよー。』

「あんたも大変ね」


じゃね！と手を振って教室を出る。

まぁ神様からの支給があるんだけどあいつまじケチ。ギリギリしかくんねえの。神様なんだからもっとくれてもいいじゃん？？そろそろ買い溜めします。


商店街のほうにあるスーパーに向かうためにてくてく歩いていると、八百屋さんを発見。美味しそうなりんごだなーと近づいた時、後ろからキャー！と悲鳴が上がった。



｢ひったくりよぉ！誰か！！｣


ま w w じ ｗｗ か ｗｗ よ ｗｗ


ごめん、思わず草生えた。

いままで基本真っ直ぐおうちに帰ってたのに商店街とか来たのが良くなかったね。てかワンチャンコナンくんと邂逅してしまったからではないかと思っている。死神の影響力やばそう。昨日の今日！


はあ、と溜息をついた瞬間、チャリに乗った男がビュン！と横をすり抜けていった。

後ろを振り返ると美人な女の人が、必死に走ってくる。あら、べっぴんさん。


『すみません後でお金払います』


目の前の大根を掴んで、ブン、と投げる。

それはブーメランのように弧を描き、車輪の間に挟まった。

ギギギ、と自転車が変な音を立てる。男が｢うわぁ！｣と声をあげ、自転車ごと横転した。


『うへ、痛そ』


すまん。私の目の前でするからや……。

ガシャアン！と派手な音を立て、転がる男。
その手から鞄を奪うために駆け出そうとすると、ひょいと横から現れた男が、窃盗犯の手を捻りあげ、鞄を奪った。


ばち。その男と、目が合った気がした。



『うっわ……』


サイアク、という言葉は飲み込んだ。

だってだってだってえ！！めっちゃ糸目なんだもん知ってるよこの人おお！！もうやだああ！！おうち帰るうう！！

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