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突如として現れた"怪盗キッド"は口元に弧を描いていて。
彼は天井から垂らしたワイヤーを振り子のように扱い、その勢いで扉を蹴破り、会場から姿を消した。
「___可愛い可愛い私のA…どうか、気をつけてね」
『___!!うん。ごめんね』
無意識のうちに駆け出す私に、後ろから母の声が届いた。
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《…あー、もしもし園子?あの___
…うん、次郎吉さんにそう伝えて欲しいの、ってえ? 元々そのつもりだった!?
うん、うん。……ありがとう、園子》
さぁ、これで舞台は整った。
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NO side
怪盗キッドが破った扉の先には廊下が続く。
後ろから迫ってくるチャーリーに向かってビー玉強の大きさの球を投げると、ボンッ!と白い煙が視界を狭くした。所謂煙玉である。
そこから警備員を次々と倒していく怪盗キッド…
ついに辿り着いたのは、一面ガラスの行き止まりだった。
「キッドを百三階東側の廊下に追いつめました!」
その先には美しい宝石を集めたような夜景が広がっている。
警官達が両側から怪盗キッドをジリジリと挟んで行く。
その間にチャーリーは怪盗キッドの背中に銃口を向けた。
「両手を見えるところに上げるんだ!」
観念したのか、怪盗キッドはゆっくりと両腕を上げ始めた。
______いや、違う。
そう思った時にはもう遅かった。
怪盗キッドの右の掌には閃光弾が握られており、それを床に叩きつけたのだ。
目の調子が戻ってきた時にはガラスは割れており、怪盗キッドはハングライダーで夜空の風に漂っていた。
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すずな - ホワホワさん» ありがとうございます☺️ 頑張ります…! (8月24日 11時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 更新頑張ってください!待ってます!続きが楽しみです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page8 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずな | 作成日時:2022年10月25日 0時