三本のひまわり ページ5
-
怪しげな男
-
〈 ひまわり展 〉には___
七人のサムライ、つまり各部門最強の布陣で挑むと次郎吉さんは自信満々に言い放った
-
「もしもですが……七枚全てが集まらなかった場合でも、落札された〈 ひまわり 〉は展示していただけるんでしょうか?」
司会者の人が不安げにしながらも口を開く。
「いや!七枚そろわねば決してやらん」
「しかし、それでは……」
「案ずるな!!
〈 ひまわり展 〉はかねてからのワシの夢じゃ。そしてワシには、叶わぬ夢などないっ!!」
ハッハッハッと次郎吉さんの高い笑い声が会場に響く___と同時に、私たちの右斜め前……約三メートルの所から、一枚のカードが勢いよく飛んできて、次郎吉さんの目の前の床に刺さった。
私側からはただの真っ白なカードだったから、落とし物かと思ったけれど___
「これって、まさか♪」
反対側にいる園子の声色と頬が微かに赤く染まった事から、私の仮説は砕かれた。
「キッ……キッドカード!!」
報道陣の中から一人の男が出てきた。___それも、片手に銃を添えて。
「何だアイツ!」
「銃を持ってるぞ!」
「警備員を呼べっ!!」
瞬く間に会場の端から端へと騒ぎが伝染する。
園子を背中に隠した次郎吉さんは男を睨みつけた。
「動くなっ!銃を捨てろ!!」
チャーリー警部がチャキ、と銃を抜いて男に標準を合わせる。
しかし、男は深く深く被った帽子のつばに手を掛けた。
「聞こえなかったのか!?早く銃を捨てるんだっ!!」
いつのまにか報道陣は左右に散りカメラだけがぽつん、とその場に残されている。
男はゆっくり両手を上げ___ながら笑みを一つ溢すと、持っていた銃の引き金をガチャッと引いた。
銃口から真っ直ぐ伸びるワイヤーが天井に突き刺さる。
___真っ白なマントが視界を大きく占めた。
端には、報道陣の着ていた上着やら帽子が重力に従って落ちていく姿を捉える。
「まさか!?」
「キッド様ーーーーッ!!」
-
93人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずな - ホワホワさん» ありがとうございます☺️ 頑張ります…! (8月24日 11時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 更新頑張ってください!待ってます!続きが楽しみです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page8 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すずな | 作成日時:2022年10月25日 0時