八本目のひまわり ページ17
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今、君の元へ
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飛行機は何とか着陸に成功した
乗客は機体から脱出している時…工藤新一の姿は見当たらず___
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NO side
出発ロビーにしゃがみ込む蘭。
彼女は無意識のうちに新一の番号を入力していた。
発信ボタンを押し、画面を耳に押し当てる。
呼び出し音に焦りながらも、祈るようにしていれば___それは留守番電話に切り替わった。
《ただ今、電話に出ることができません。発信音の後にメッセージをお願いします……》
ツーツー、と音を出す暗い画面に「そんな……」と青ざめる蘭。
それと同時に何処かへ消えてしまった大好きな幼馴染の姿も頭をよぎって。
ユラユラ。
心がどんどん弱くなっていくのを感じた。___いつも、こんな時にそばに居てくれたのは、紛れもないAだから。
「新一……お願い……出て…Aも……どこ行っちゃったの……?」
___プツッ。
《ワリィ、蘭!今、キッドを追ってんだ!後でかけ直す!!》
電話に出る音がして。
言葉を残したかと思うと、一方的に切られた電話。
…でも、それでも蘭には十分だった。
「……良かった……!」
ポロポロと溢れる涙を拭っていれば、再び携帯電話が震えた。
蘭は新一だと思い、すぐに通話ボタンを押す。
《…蘭、?………あ、え?もしもしぃ?》
聞こえて来たのは、Aの声だった。
蘭は口元を手で抑えて嗚咽を我慢する。
「……Aっ…う、どこ…?」
《…園子と一緒だよ。私も飛行機に乗ってて…て、園子から聞いてなかった?それなら、ごめんね。急に連絡も出来なくなっちゃって___》
「___っ〜、……ぶじ、で…よかった…ふ、…」
《直ぐに会いに行く。ちょっと待ってて》
蘭のいる場所では、アナウンスが流れており、Aはそこからこう考えた。
蘭も空港に居る、と。
そして、声の震え方に言葉の辿々しさ。
泣いている蘭を放っておくなど、Aにとっては言語道断。死罪なのだ。
そこから電話を切る事なく、Aは園子や次郎吉らと共に蘭の元へと___空港へと急いだ。
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すずな - ホワホワさん» ありがとうございます☺️ 頑張ります…! (8月24日 11時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 更新頑張ってください!待ってます!続きが楽しみです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page8 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずな | 作成日時:2022年10月25日 0時