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NO side
「もしもし?もしもし?」
蘭は慌てて、携帯電話に耳を寄せた。
すると、一人の私服警官が駆け寄って来た。
「やはり飛行機でトラブルがあったようで、これからA滑走路に緊急着陸するとのことです!」
窓際のカウンターに身を乗り出していたコナンは、窓を軽く拳で叩く。
そして、滑走路を見た。
「(クソォ!ここからじゃ見えねー!!)」
思い立ったが時。
彼はカウンターから降りて、外へと続く扉に向かった。
蘭の「コナン君!?」、という呼びかけを無視して、外へと飛び出した。そんな小さな坊やの後を追って、私服警官や小五郎も部屋を出る。
残された蘭は、携帯電話に呼びかけた。
「園子ッ、返事して!園子ーー!!」
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『ちょお、次郎吉さん!座席戻って!』
「そうです。待ってください、鈴木相談役!!」
キッドが現れたのを知った次郎吉さんは酸素マスクを乱雑に取って、席を立ち上がった。
揺れに足を取られながらも、通路を歩く次郎吉さんを声で制止する。
「今動くのは危険です」
「じゃがキッドが現れたということは〈 ひまわり 〉が___」
《当機はこれより緊急着陸を行います。ご存知のとおり、爆発により操縦の自由が利きません。これにより、着陸が非常に困難なものとなるでしょう》
次郎吉さんの言葉を遮るようにして、副機長の張り詰めた声が流れる。
次郎吉さんはやむなく席に戻り、全ての人が覚悟を決めた。
私も頭を抱えて、前傾姿勢をとる。
___ここで、私は一つの仮説を頭の中に立てていた。
ちらり、と空いた座席に目をやる。確信に近いだろう。
きっと、さっきまでここにいた工藤新一は本物じゃない。
怪盗キッドの変装だったのだ。
でも、その時点で生じる矛盾が一つ。
それは、次郎吉さんがほっぺを引っ張った時に頬が赤くなった事。
もし偽物なら、色は変わらない。
もしくはマスクが剥がれると思う。
では、これならどうだろうか。
"キッドの素顔が新一に似ている"
彼はいつも夜を舞う。素顔をまじまじと見たことは無いからこその仮説。
それなら、髪型を少し寄せれば分からない。
さらに声も似ているのならば、もう殆ど決定である。
……なら、さっきのキッドは〈 ひまわり 〉が狙いだったのか。
でも、キッドはビッグジュエルを手に収める事で有名だったはずだけど…。
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すずな - ホワホワさん» ありがとうございます☺️ 頑張ります…! (8月24日 11時) (レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 更新頑張ってください!待ってます!続きが楽しみです〜! (2023年4月2日 18時) (レス) @page8 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずな | 作成日時:2022年10月25日 0時