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「ゴッホはアルルにいた頃、七枚の〈 ひまわり 〉を描いたといわれていました」
スペシャリストが話を始めたので、静寂が訪れた。
声と共に、絵の後ろの大型モニターに六枚の〈 ひまわり 〉が映し出される。
「＿＿＿アルルって誰だ？」
『アルルは町の名前。フランスのプロヴァンス地方の西とかにあったはず…』
マイクから反響して聞こえてくる説明。
特に専門用語は無いようだった……けれど、私の両親には難しいようで、私が簡略化して伝える。
てか「誰？」ってヤバいでしょ。
ゴッホが体内で絵描いてたことになるやん…
次に、新しい〈 ひまわり 〉＿＿＿つまり、今回オークションに出された物が大きく表示される。
「その二枚目といわれる〈 ひまわり 〉が今回、出品されたものです。
日本の芦屋で戦火に焼かれたといわれていましたが、昨年、新たに同じ構図のものがアルルで発見されました。
この作品が真作なのかレプリカなのかは定かではありませんが、間違いなくゴッホによって描かれた作品です」
報道陣のカメラがこの瞬間を余さずに、と全神経を込めているのがわかった。
「さあ、この〈 ひまわり 〉に皆様が新たな命を吹き込んでください！では、フィンセント・ファン・ゴッホの幻の名画〈 二枚目のひまわり 〉！！」
オークショニアが両手を高く掲げるのを合図に、ビッダーたちは一斉に手元の番号が書かれた札を持った。
「一千万ドルから始めようと思います。ご購入を希望される方は、パドルを上げてください！」
一千万ドル……日本円だと、およそ十億円だ。
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『…で？アレを落札するんだっけ？』
「あら、違うわよ」
飛び跳ねるようにして高額になっていく〈 ひまわり 〉を横目に、のほほんと言い切った母を思わず二度見する。
『えッ、じゃあ何で？』
ん〜、と唸る母に先を促すと＿＿＿
「……
にやっと笑った母は、昔に感じたあの雰囲気を纏っていた。
そんな私たちを置いて、鈴木財閥の相談役＿＿＿もとい、
『三億ドル……三百億円くらい？』
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すずな - ホワホワさん» ありがとうございます☺️ 頑張ります…！ (8月24日 11時) (
レス) id: 80d2653d1f (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 更新頑張ってください！待ってます！続きが楽しみです〜！ (2023年4月2日 18時) (レス) @page8 id: da0f77ded3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずな | 作成日時：2022年10月25日 0時
