名脇役２ Shori.S (ページ40)

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勝利の家を出て

ひたすら健人くんの家まで走った

LINEで伝えても良かったけど

自分の言葉で伝えてくれた健人くんには

私もやっぱり自分の言葉で伝えたかった

健人くんの家のインターホンを鳴らすと

健人くんはすぐに出てきてくれて

私の姿を見て驚いていた

健「れいちゃん

急にどうしたの、、？

大丈夫？」

『健人くん、急にごめんね

健人くんにどうしても伝えなきゃいけないことがあって

どうしても直接伝えたくて

会いに来た』

健「うん、どうしたの？」

健人くんは優しく私の言葉を待ってくれた

『あのね、花火大会の日

健人くんが言ってた言葉の意味、わかった』

健「、、、そっか」

『健人くん、ごめん

わたしもしかしたら

今まで健人くんにたくさん気を遣わせちゃってたかも

って思って

まず、謝りたかった

ごめんね』

健「うん、良いの

俺、れいちゃんに謝ってほしいなんて思ってないし

それで？」

『うん、それで

私、気付いたよ

私は勝利のことが好き

さっき勝利から気持ち伝えてもらって

そしたら健人くんのことが思い浮かんで

来なきゃって思って飛び出してきちゃった』

健「そっか

やっと気付いたんだね

良かった」

そう言って微笑んでくれる健人くんはとても優しかった

『私ね、健人くんとすずと風磨くんと一緒にいる時間も

楽しくて好きだよ

それは今までもこれからも本当だから

信じてほしい』

健「うん、わかってるよ

ありがとね

ほら、早く行って来な？

勝利くんにまだ返事してないんでしょ？」

どこまでもかっこいい健人くんは

そうやって私を送り出そうとした

健「あ、でもちょっと待って

まだ、付き合ってないんだよね？」

『え、、うん』

そうするとふわっと香る

健人くんの少し甘い香り

健「ごめんね、1分だけ」

そう言ってぎゅーっと抱きしめる健人くん

しばらくすると健人くんは離れて

健「しっかりれいちゃんの想い

伝えるんだよ？

これはれいちゃんの友達として、応援してるんだからね

わざわざ来てくれてありがとう」

そう言ってくれた

私も健人くんに感謝を伝えて

勝利のもとに戻るために

健人くんの家を出た