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唐突だが、私は料理が好きだ。私の好物の1つに、"自分で作ったもの"も含まれている。なんというか、自分で作ると頑張ったぞ補正のような、こう、とても美味しく感じるのだ。
そんなことはおいておいて、生地の焼ける芳ばしい香りを堪能しつつ、オーブントースターの中をガラス越しに覗き見る。
今日は丸一日暇で、ああ、なんて素晴らしい日なんだ。寝放題じゃないかと機嫌良く冷蔵庫を開けると、クリームチーズやらなんやら、良い感じの材料たちが揃っていたので、チーズケーキを作ることにしたのである。
焼き終わりの合図が聞こえると、私は火傷をしないように、鍋掴みをはめてゆっくりと濡らした布巾の上へと取り出したケーキを置く。
良い色だと鼻を鳴らしていると、物凄くお腹が空いてきた。冷やさないといけないけど、この熱いまま冷蔵庫に入れるとあまりよろしくない。待つしかないかと頷くと、リビングの扉が開いた。
「あーAー!いいところに!」
「え、なにしおりちゃ……」
扉から顔を覗かせた眼鏡の女の子、宇佐美栞。は、いいのだが、その後ろからこちらを窺う人物に驚き、言葉を紡ごうと動いていた口が止まった。
「A!?」
「なんでいんの……?修……」
そう。三雲修だ。いろいろあって正隊員へと無事昇格することができた彼は、私を見て同じように口を開けている。その後ろに僅かに見える白いふわふわと、"オサム?"という声で、遊真も居ることがわかった。
「A、あのね、お客さんに出すお菓子とかって作り置きしてない?」
ああ、そういうことか。そう納得してしおりちゃんを見やる。なんらかの経緯でここ、"玉狛支部"にやって来た修たちにお菓子を出そうとしたが、それがない。と、そういうことなのだ。
しおりちゃんの頼み。出してあげたいのはやまやまだが、今焼けたばかりのチーズケーキを出すのは気が引ける。というか焼きたては駄目だ。冷やして食べるのが美味しいのだから。
「ごめん。焼けたばっかのチーズケーキしかない」
「そっかあ……」
ガクリと肩を落とした彼女にもう一度謝ると、眉を下げてしおりちゃんは微笑んだ。相変わらず綺麗だなあと思っていると、"はっ"と声を出して顔をあげたしおりちゃんは、戸棚の方へと駆け出していく。
なんとなくだが、波乱が起こるような、そんな気がしたが、扉の前で立っている修たちを中へと引き入れた。…………もう一人ちびっこいのが居た。
ラッキーアイテム
イーグレット
人物
宇佐美栞
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谺(プロフ) - 柊那さん» コメントと応援ありがとうございます!!なるべく更新できるようにします!!これからもよろしくお願いします!!! (2017年11月13日 7時) (
レス) id: c320ec1387 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです！これからも更新頑張ってください(´∀`) (2017年11月13日 5時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
谺(プロフ) - りんださん» ありがとうございます！！最低でも週一か二で更新できるようにがんばります！！！！ (2017年7月29日 21時) (レス) id: 691a812145 (このIDを非表示/違反報告)
りんだ(プロフ) - すごくおもしろかったです！！更新頑張ってください！！ (2017年7月28日 19時) (レス) id: 2c7e01cd57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：谺 | 作成日時：2017年6月13日 21時
