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「ごめーん、こなみ。昨日お客さん用のお菓子に使っちゃった」


両手を合わせて、にへらと謝るしおりちゃんに、きりえちゃんは大きく声をあげる。"また今度買ってくるから"という言葉に、しおりちゃんの頬をぶにーっと伸ばしながら"あたしは今食べたいの!!"とご立腹だ。


「なんだなんだ」


すると、きりえちゃんが入って来た扉から続々と、と言っても二人だが、人が入って来た。


「騒がしいな、小南」
「いつもどおりじゃないすか?」


入室した2人の男の人は、1人が木崎レイジ21歳で、木崎隊、通称玉狛第一の隊長だ。もう1人が、もさもさした男前の烏丸京介16歳。皆A級隊員なのだ。


「……おっ。この3人、迅さんが言ってた新人すか?」


きょうすけくん、(もとい)きーくんの言葉に、きりえちゃんの眦が釣り上がる。"新人……!?"と悠くんに体を向け、鋭い眼光で睨みつけ、問い質した。


「あたしそんな話聞いてないわよ!?なんでウチに新人なんか来るわけ!?迅!!」


少し迫力のあるきりえちゃんの怒声にも全く動じない悠くんは、あろうことか修たち3人を巻き込んだ大きな嘘をきりえちゃんに告げる。


「まだ言ってなかったけど、実は……この3人、おれの弟と妹なんだ」


案の定、修はわけがわからないという表情で驚愕し、遊真はどうともなっていないが、千佳ちゃんが物凄く困っている。レイジさんやきーくんは微かに疑問符を浮かべつつ、呆れた顔をしていた。


「えっ、そうなの?」


ただ1人だけ、この嘘を信じる者がいる。それは、きりえちゃんだ。何故か彼女は、言われたことの大体を信じてしまうのだ。


「迅に兄弟なんかいたんだ……!とりまる、あんた知ってた!?」
「もちろんですよ。小南先輩、知らなかったんですか?」


先程の眼光も消え失せ、動揺で目をぱちくりとさせている。きーくんの言葉を聞いて、遊真を見定めるようにじっと見つめたきりえちゃんは、遊真のキラっとしたものを出した、悠くんにそっくりな笑みできりえちゃんからの疑いを無事跳ね返すことに成功した。


「レイジさんも知ってたの!?」
「よく知ってるよ。迅が1人っ子だってことを」


途端、きりえちゃんは凍りついた。

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(プロフ) - 柊那さん» コメントと応援ありがとうございます!!なるべく更新できるようにします!!これからもよろしくお願いします!!! (2017年11月13日 7時) (レス) id: c320ec1387 (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです!これからも更新頑張ってください(´∀`) (2017年11月13日 5時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りんださん» ありがとうございます!!最低でも週一か二で更新できるようにがんばります!!!! (2017年7月29日 21時) (レス) id: 691a812145 (このIDを非表示/違反報告)
りんだ(プロフ) - すごくおもしろかったです!!更新頑張ってください!! (2017年7月28日 19時) (レス) id: 2c7e01cd57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年6月13日 21時

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