魔法 が 解ける その 瞬間。【mkd】

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シキミさんに探りを入れておくようレオンにお願いしてから既に１週間。まあね？こっちも寮生活だし向こうも官僚だからなかなか会う機会が無いのは分かります。分かるんです。


でもね、もう限界なんですよ。


……だって、だってね？
前にシキミさんに会ってからもう１ヶ月近く会えてないんだよ！？しかもまったく！

レオンに頼めばシキミさんについてなんか聞けるかもって期待してたけど、まだ何も聞けてないし。
特にここ最近なんてシキミさんの影すら見えてない……。前は街とかでちょくちょく見掛けたりしてたのに……。もうやだ辛い…。



そんなこんなで迎えた休日、ついに限界が来てしまった私は、シキミさんに会うためローゼンフェスト城へと足を運んでいた。
ちゃんと外出許可も取ったしバトラーにも申告したし、髪も服もメイクも……うん！完璧！！



ただ…ここまで来たは良いものの、



…どうしよう、シキミさんにどうやって会おう！？


あああシキミさんに会えるのは良いんだけど！会ったとして何話せばいいわけ！？

いま暇ですか？君かわいいね？お1人様で？
……ダメだあああ何なの私のボキャブラリーおかしいでしょほんと！！

君かわいいねに至っては男にいうセリフかよいやシキミさん可愛いけど！
ああもうどうしよう。もう帰る？帰るか？いやでもシキミさんんんん！



「ああああ死にたい…」

「……あの？」



ローゼンフェスト城の無駄にデカイ門の前で項垂れていると、聞いたことのある声が聞こえた。


え、え、、うそでしょ。。
まさかこのタイミングで……？


恐る恐る声の方向へ顔を向ける



「Aさん？…どうかなさったんですか？こんなところで…」



と、そこには案の定のシキミさんがいらっしゃっていた。

はー…いつ見てもかっこよくていらっしゃる。目の保養。もう大好きです結婚しませんか。



「…Aさん？」

ぼーっと軽く現実逃避していると、何も答えない私を心配してくれたのか顔を覗き込んできた。


「…はいっ！？」

突然のことで声が裏返える。…いまのシキミさんに聞かれちゃったよ、恥ずかしい…！



「えっと、誰かにご用事ですか？」

「え…あ、はい！そうです！！」


もういいや、ここまできたんだ。開き直ってナンパでもなんでもしてやろうじゃないか。
…折角のチャンスなんだから。頑張れ私！

「そうでしたか。…すみません、ミカエル様達はただ今会食中でして、」

……え？


( 愛しの彼。 )

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