魔法 が 解ける その 瞬間。【mkd】

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「ねえねえ。シキミさんって好きな食べ物とかないのかな？」


「しらねー」

「好きなタイプとかは？」

「しらねーよ」


「……。」


…ぐぬぬ。全然教えてくんないじゃんこの王子。
なんかムカつくので、これでもかという程シワのよったレオンのおでこを人差し指でぐいっと押してやった。
すると一瞬だけ目を見開き驚いた顔をして、
しだいに眉間に寄ったシワがもっと濃くなってしまった。

やだー怖い。




「はあ……お前、そんなに気になるなら直接シキミの野郎に聞きゃーいいだろ。」


「え。」


いや、いやいやいや。急に何を言い出すかと思ったら、、、





「無理！ぜったい無理！！」

「なんでだよ？ただ聞けばいいだけじゃねーか」

「無理！恥ずかしいし！それができないからレオンに聞いてんでしょ！」


ああもうこれじゃいつまで経ってもシキミさんの事聞き出せないじゃない！
やっぱりレオンに喋ったのが間違いだった。
いやでも、もう言っちゃったしなぁ。。今更後悔しても既に時遅しか。

レオンは王宮育ちだし、それなりにシキミさん達とは関わりがある筈、だから…。
これを利用しない手はないんだけど、レオンってば全然話してくれないし…

ううん、もう一か八かで乗せるしかない！
シキミさんと私の恋路のためだ。

失敗したら…もう自分で聞こう。




「…A？おい、どうした」

「レオン」


「なんだよ」


「あのね、お願いがあるの。
…レオンにしか、頼めないの」



「お、おう」


「レオンだけが頼りなの！」


「俺だけが、頼り…。」


さっきのヴァイパー沢山殺しそうな殺人顔は何処へやら、今度は口元が緩みに緩みきってニヤニヤと嬉しそうな顔のレオン。いいぞ、行ける。あともうひと押しだ！



「レオンは優秀だし何でも出来るしかっこいいし！レオンに頼めば間違いないかなって思って。……聞いてくれる？」




「…そ、そこまで言うなら仕方ねえな！
この優秀で何でも出来てかっこいい俺様が特別に聞いてやってもいいぜ！」


「さすがレオン！優しい！
早速なんだけど、シキミさんに好きな女の子のタイプ聞いてきて欲しいんだよね！
…優秀で何でも出来てかっこいいレオンなら勿論やってくれるよね？ね？」


「ふん、当たり前だろ。あのクズに関わんのはごめんだがこの俺様に成せない事はねえ！大船に乗ったつもりでいるんだなぁ！」

わっはっはっと豪快に笑うとレオンは私の肩を軽く叩いて去っていった。



( よっしゃ。作戦成功！ )

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