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「我慢せんでもええねんで？」
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そんな私の頭に小瀧くんはまた手を乗せた。
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「……俺はAちゃんのこと好きやけど
別に無理に好きになってもらおうなんて
思ってない。」
「ただお前の幸せそうな笑顔見れたら
それでええから。」
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"クサいな俺(笑)"
なんて言いながら顔を上げるのを待ってくれる。
,
「あのね、」
,
そんな彼の優しさに甘え
顔上げて目を合わせた。
またこぼれ出す涙を
時々すくいながらも最後まで聞いてくれた。
自分でも何が悲しくて
泣いているのかわからない。
志乃に嘘をつかれたから？
きっとそうじゃない。
彼女は何も考えないで
そんなことをするような人じゃないから。
きっと涙の原因には
�陲気鵑�目の前に突然現れたことも関係してる。
封印してた思い出が蘇った時
何もかもが溢れて
止まらなくなっちゃったんだろう。
.
「……素直になればええねんで？」
.
さっきも言われたこの言葉。
この言葉の指す意味は今はわからない。
何が自分にとっての
素直になるべきことなのかがわからない。
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「とりあえず志乃ちゃんに連絡してみ？
絶対答え見つかるから。」
.
小瀧くんの言葉に素直に頷く。
すでに２０時を超えていた。
こんな時間まで付き合わせたことを
謝る私に彼は最後に言った。
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「Aちゃんが素直になれた時、
俺も諦めがつく気がするわ。」
.
最後まで私を責めなかった小瀧くん。
そんな彼に結局なんの返事もできないまま
私たちはカフェを出た。
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作者名：めいろ | 作成日時：2018年5月29日 17時
