幸福論《紫》4 (ページ24)

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プレートになった彼は
外国人なんかじゃない。

テーマだって私が聞いていたのじゃない。

私は何をさせられたのだろう？
志乃は何を考えているのだろう？

半年前、私は何を思って
このコーデを考えたのだろう。

志乃が適当だったのもこのせい？

最初からモデルは決まってたの？

だから最近よそよそしかったの？
だからあの時資料を取り上げたの？

わからない。
何を思って、何をどうしたいのか
さっぱりわからない。

志乃の考えてることが全くわからない。

ぼーっと見上げる先には
紛れもなく彼がいて

確かにこのコーデは私が志乃に
提出したもの。

なんで今更こんなことするの……？

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「あら！主役じゃない」

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笹上さんの声に視線を向けると
私たちより少し遠いところに
青ざめた表情の志乃がいた。

その足は密かに震え
まるで何かに怯えるよう。

でももう遅い。

全部私は見てしまったんだから。

私の目はひどく冷たかっただろう。

笹上さんに一度頭を下げ
何も言わずに彼女の横を過ぎて
店を後にした。

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