幸福論《紫》4 (ページ20)

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「でな！
もう俺めっっっちゃくちゃ興奮して！」

「よかったじゃん。」

「…ちょっと真剣に聞いてる！？」

「聞いてるよ。
で、結局ロクマルは釣れたの？」

「それがなぁポイントが悪かったんか
上がらんかったねん。
リベンジが必要やなーとは思うんやけどな。」

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興奮して話す静哉に適当に返事する私。

この光景もあの時のまんまだ。

それじゃあこれもあの時のまんま？

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「……あの時友達なった人、
今日も来てたの？」

「なんやっけ、名前忘れたけどロクマルの話で
盛り上がった言うてた人？
今日は来てなかったで。」

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これはあの時のまんまじゃないらしい。

そりゃそうだ。
そうたまたまが重なるわけではない。

来てたなんて言われたら
昨日の夜に会いたいなんて口にした私は
どうなってたかわからない。

封印してた２年間をいとも簡単に思い出し
意識すればするほど近くに感じる彼の存在。

街を歩けばそこら中にいて
志乃の口からも話題が上がる。

いきなりすぎる彼の登場は
この２年間なんてなかったように
私の中を埋めていく。

食事中ずっと話していた静哉を
置き去りにし
一人ズルズルと考えていた。

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