___164 ページ14
.
もう随分と弟の手で触られてなかったそれは
私がつけたであろう傷がたくさん刻まれてる。
初めて見た傷もあれば
絶対怒られるだろうなって大きさの傷。
.
「……………………」
.
雑において地面に擦れた傷に
あまりの衝撃に放り投げた時の傷。
その一つ一つを修復するように
丁寧に拭いてあげる。
糸が切れたまま放置されてるものまで残ってた。
.
「…………………………ッ」
.
でも、どんなに拭いても、磨いても
傷は消えないの。
.
「……なんで消えないのッ」
.
どんなにどんなにどんなに
拭いたとしても
消えないんだ。
傷は消えない。治らない。
.
気がついたら顔がぐちゃぐちゃになる程
泣いている自分がいた。
なんで泣いてるの？
傷が消えないから？
静哉に怒られるから？
そんなの新しいの買えばいいじゃん。
あ、そう言えば
静哉の誕生日まだ何もあげてない。
誕生日プレゼントとしてあげたらいいじゃん。
ね？
泣かないでよ私………
もう泣かないでってば……
今日まで頑張って来たじゃない。
寂しいのも、人肌恋しいのも
冬のせいにして来たじゃない。
なんで今更我慢できなくなる？
なんで今更………
それでも枯れることのない涙が
とうとう言葉を紡いだ。
.
.
「�陲気鵑鵬颪い燭い茵帖帖張叩�
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 352人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めいろ | 作成日時：2018年5月29日 17時
