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二十歳を超えるとあっという間
なんて言うけれど
ほんとにその通りで
今年ももうあと一つの季節しか残っていない。
今年はかなり冷え込むみたいで
寒すぎる冬は大嫌いだ。
まだ１１月に入ったばっかりだと言うのに
マフラーをぐるぐるに巻いて出勤する。
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「なに〜〜？もうマフラーの季節！？」
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大げさに志乃に反応される。
そんな志乃だって鼻が少し赤くなってる。
小瀧くんに会えば
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「えっもうマフラー？冬やん！くぅぅぅぅ！
テンション上がるわぁー！」
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なんて言われる始末。
一体冬のどこが嬉しいのかわからない。
第一去年までは一緒になって寒がってたのに。
寒いだけの季節はもうすでに
なんの未練もない。
早く過ぎ去ってくれないかと思う毎日。
それに冬は人肌恋しいなんて言うけれど
最近はその言葉が痛いほどわかる。
家に帰って一人、
テレビもつけずに生活することに
そろそろ嫌気がさしていた。
冬は人を寂しい気持ちにさせる。
でも今年はそうでもなかったりする。
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「お、おかえりー！」
「ただいま。
あれ、明日の朝じゃなかったの？」
「そうなんやけどー、夜行疲れるしさ。」
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弟が来るから。
長かった就活も無事終わり
夏休みこそは来れなかったものの
授業もほとんどない今
バイトもせずにうちに入り浸るんだって。
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「明日は私いないからね。」
「仕事ー？」
「ううん、病院。」
「お、りょーかい。」
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”暇やから来たげてんねん”
なんて静哉は言うけどきっとそれは彼なりの優しさ。
私のそばにいてくれようとしてる。
じゃないと年頃の男の子が
わざわざ姉の家になんて来ないもんね。
明日は半年ぶりの病院。
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作者名：めいろ | 作成日時：2018年5月29日 17時
