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「………ってので、
今回はどうでしょうか……？
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少し不安げに聞いた彼に答える。
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「うん！ばっちりだよ！完璧！」
「よぉぉぉぉかったぁぁぁぁぁぁ！
昨日寝ずに考えてん！」
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前回のプロモートから突如始まった彼の一人プレゼン。
今年はこんな服が流行るだろう。
俺はこんな服が着たい。
そんでもってこんなアイテムを合わせてみた。
だから今回はこのコーデでいきたい。
というのを全てパソコンでまとめて
持ってくるのだ。
昨日寝ずになんて言ってるけど
きっと一晩でここまでは作れない。
並大抵ならぬ努力が彼から見えて
ほんとに尊敬する。
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「俺、Aちゃんに褒められるのが
イッッチバン嬉しいねん！」
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キラキラ笑顔の彼もすっごく可愛い。
志乃が請け負うモデルとは大違い。
彼はこんなに頑張ってるのに外国にいるからって
全て志乃に任せっきり。
しっかりとした連携が私たちには大事なのに。
こんなことを小瀧くんに言ったら
”まぁまぁ(笑)そのモデルも忙しんやろ(笑)
どんなイカしたモデルなんか見てみたいわ(笑)”
なんて返ってきた。
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時刻は１７時。
ヒルズに戻った私は
早速小瀧くんの力作資料をまとめていた。
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「A、そろそろ時間じゃない？
「あ、ほんとだ。
じゃあお先に失礼するね。」
.
ヒルズを出ていつもとは逆方向に
歩く。
半年に一度だけ
行ってるところ。
気分は上がらないし
毎回気が重いけどどうしても行かなきゃ
いけない。
重たい自動ドアの向こうにある恐怖に
怯えながら中に入った。
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作者名：めいろ | 作成日時：2018年5月29日 17時
