虹色想い #1

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生物の濱ちゃん先生、もとい、崇裕は俺の恋人。




なで肩やけどしゅっとしたイケメンで、優しくておもろくて先生のくせにちょっとアホで。みんなの人気者の崇裕の事を、俺も当たり前のように好きになって



一年の冬、それが周りと同じ好きじゃない事に気づいて、初めての気持ちに戸惑いながらもそれを爆発させてしまった俺に



「俺はめちゃくちゃ嬉しいで？」って微笑んでくれた崇裕は、自惚れてしまうくらいに俺を特別扱いしてくれて



そのあとしばらくは進展もなかったけれど


それでも理科準備室のソファは、いつの間にか休み時間や放課後の俺の定位置になってた






三年にあがった春


いつも通り崇裕の煙草の匂いの染み込んだソファに寝転んでた俺に




ほんまはもう一年我慢せなあかんって思ててんけどなぁ...



なんて頭を掻きながら切り出した崇裕は、短くなった煙草をコーヒーの空缶に落としたあと、一瞬だけ真剣な顔になって




ずっと好きやってん。付き合うてくれへん？ って、


早口で言い切った




突然の事にびっくりで固まってしまった俺の顔を


あかんかな？って覗き込んだ崇裕の不安げな顔は今も忘れないし



なんとか搾り出した「俺も好き、」に、幸せそうに笑ってくれた顔も絶対に忘れない。




初めて本物の崇裕の匂いに包まれて


男同士やし、俺は教師やし流星は生徒やし。壁は多い思う。けど、精一杯大事にするから。


って、あの日約束してくれた通り、



崇裕はいつも優しいし、俺を大切にしてくれる。


学校ではほぼ毎日顔を見るし、週末は家に呼んでくれたり崇裕の好きな釣りに連れてってくれたり。


LINEだって毎日くれるし電話もよくする。




なにより崇裕は嘘をつかない。


ひとまわり歳の離れた崇裕の過去の話とか職場での話。

全部気になる俺が何を聞いても、包み隠さず答えてくれるしアホな俺にもわかりやすく噛み砕いて教えてくれる。




昨日も、この辺の高校の先生達の集まる研修がある、って１ヶ月近く前から話してくれてた。
その後懇親会もあるねんけど、って申し訳なさそうな顔で。


そもそも、懇親会？？？ってなってた俺に、要するに飲み会やなぁ、って苦笑いの崇裕



"飲み会"って言われると歳の差を突きつけられてるみたいで、へぇ、って子どもみたいに不機嫌になった俺。



でも、流星の心配するようなことは何もないから。って頭を撫でてくれた崇裕の言葉を、信じてたのに。




信じてたのに。




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