【JN】恋人つなぎ（男主） (ページ31)

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眠りについて数時間が経った頃

微かな呻き声に目が覚めた

横で寝ているAに目を向けると

眉間に皺を寄せ

荒い呼吸を繰り返していた

軽く汗ばんでいる額

手をやると熱を持っているのがわかる

怪我の影響で熱が出ていた

ベッドから抜け出し

近くに置いてある鞄の中から目的のものを探り当てる

「A、A…」

『ん…、ジナ…？』

「薬、飲める？」

熱で朦朧としているA

起き上がりはするものの

思ったように力が入らないのか

支えなければ座っていることすらままならない状態だった

Aを支えつつ

枕元にあった水を開け、口元まで運ぶ

『ッ！ゲホッ、ゲホ』

気管に入ったらしく激しく咽せるから

見かねて薬と水を自ら口に含み

そのまま唇を重ねた

Aの喉がコクンと鳴ったのを確認して

口を離す

『あ、つぃ…』

「熱が上がりきったんだよ
薬が効いたら治まるから」

汗で張り付いた前髪

服も汗のせいでしっとりしていて

触れ合う部分からも相当な汗をかいているのがわかる

このままだと熱が下がり始めたときに寒くなるな

再び眠りにつく前に

身体を拭いて着替えさせようと立ち上がった

『ジナ…？』

「タオル取ってくるだけだから」

『い･･･ぃ、いら、ない』

あとで辛いのは自分なのに

とりあえずシャツだけでも新しいものに着替えさせ

一緒に横になる

布団を掛け直してやると

Aの瞼が少しずつ閉じていった

― 守りたいもの ―

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