26 JN side ページ26
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終業を伝えるチャイムが鳴り響き
騒がしくなる教室
『俺、部活行くけど、ジナは？』
「保健室で待ってるよ」
『じゃあ、終わったら連絡するな』
部活へと向かうAを見送り
教科書などを鞄に詰め
いつもの場所へと向かった
「失礼します」
SG「おー」
白衣に身を包んだ先生が振り返った
SG「また待つのか？」
「一応、報告もと思って」
SG「とうとう言ったか」
「先週、別れたって言うから勢い半分ですけど」
SG「上手くいったんだろ？」
先生はニヤニヤした笑顔を浮かべて
コーヒーを差し出してきた
SG「比べ物にならないだろ、本命は」
「そうですね
まだ最後まではいってないですけど」
SG「へぇ、よく我慢できたな」
おばさんに目撃されかけたことで
Aの中でストップがかかった
Aの意志は固く
あれ以来
先に進めずにいるせいで
欲求不満な日々が続いている
SG「焦ると逃げられるぞ」
「分かってますよ
だから我慢してるんじゃないですか」
無理だと
心のどこかで諦めていた気持ちを
受け入れてくれた
それだけでも奇跡に近いのに
湧き出る欲求には果てがない
もしも邪魔が入ってなかったら
強引にでも自分の痕跡を
あの身体に刻み付けていたかもしれない
冷静になって考えると
そんなことできるはずもないのに
邪魔が入ったことで助かったのは
自分の方だった
．
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作者名：HEKi | 作成日時：2023年5月14日 23時
