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21 JN side ページ21
．
「A…キスしたい」
『は！？え、あ、いや、あの…』
言葉にならない声を発して
目線を彷徨わせてるAの横に手をつき
ゆっくり近づいていく
声の出し方も分からなくなったAは
僕を見つめたまま固まってる
「…ダメ？」
答えなんてその顔を見れば分かってた
『っ、さっきまで泣いてたくせに…』
「Aが泣かせたんでしょ
で、どうなの？していいの？」
『…聞くなよ』
徐々に赤くなっていく顔を隠すように俯くA
呟くように発せられた小さな声は
しっかりと耳に届いた
顎に手を掛け上を向かせると
ぎゅっと音が聞こえるくらいキツく目を瞑る
顔を真っ赤にしてキスを待っているAが可愛くて
少しの間眺めていた
『なっ、何見てんだよ！？』
なかなか触れてこないのを不思議に思ったのか
Aが目を開けた
「A、可愛い」
『し、しないなら離せって』
「するから…
ほら、目閉じて」
Aが再び目を閉じたのと同時に唇を重ねる
最初は触れるだけで
徐々に深く重ねていく
初めてちゃんと触れた唇はどこか甘く感じて
僕を夢中にさせた
．
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作者名：HEKi | 作成日時：2023年5月14日 23時
