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JN「ここまで言ったら隠すこともないし
聞きたいこと全部答えてあげる」
そうは言っても
急なジナの告白に訳がわかんなくて
到底質問なんて思いつくはずがない
至近距離過ぎてなかなか焦点が合わない目で
ジナを見つめることしかできないでいると
ジナがゆっくりと近づいてきた
『いやいや、お前何しようとしてんの』
JN「すぐ終わるから」
『すぐ終わるじゃねぇよ
もう少しでくっつくだろ!?』
相変わらず整った顔してんなぁ、なんて
暢気なことを考えてる場合じゃなかった
正気に戻った俺は
慌ててジナの頭を掴み
唇があと数センチでくっつくというところで止めた
もう近過ぎてジナの顔なんか全く分からない
とりあえずそれ以上のことを防げてホッとしていたら
生温かい何かが俺の唇に触れた
『なッ!?舐めたーーーーー!!!!』
JN「うるさっ」
口を両手で押さえて
すぐさまジナとの距離をとる
ベッドにもたれ掛かるように座ったジナは
悪びれた様子もなく
俺の声に耳を塞いでいた
JN「初めてじゃないんだから」
『男とは初めてだよ!!』
JN「だから初めてじゃないって
僕だよ、Aのファーストキスの相手」
ジナの言葉に時間が止まった
『え…?』
JN「7歳の時
ここで寝てるAにキスしたんだ」
それだけ言い残して
ジナは窓から自分の部屋へと戻って行った
7歳の時、寝てる俺に……?
俺の記憶ではファーストキスは14歳の時
相手は同い年の小さくて可愛い女の子だった
それが本当の初めての相手は
当時、小さくて可愛いかった子どものジナだったなんて…
衝撃のあまり
ジナが出て行った窓をただ見ているだけしか出来なかった
― もう幼馴染には戻れない ―
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時