38 JN side ページ38
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「Aっ!!」
勢いよく扉を開けた瞬間
目の前に広がる光景に
忘れていた息苦しさと尋常じゃない動悸が襲ってくる
身体を支えられなくて
全身で息をしながら床に崩れ落ちた
『ジナ!』
駆け寄るAに支えられるようにして
起き上がる
荒い呼吸を繰り返しながら
Aのシャツをぎゅっと握った
JM「大丈夫ですか?」
『ああ
それよりいい加減、そのへんで止めとけって
気失ってんじゃん』
足元に誰かを横たわらせた状態の男
幼い顔つきに似合わない雰囲気を纏わせていた
どこかで見たような、、
JM「僕、こういう人、嫌いなんですよ」
「分かるけど、もういいだろ」
納得がいかないといった様子の男に
Aが溜め息をついた
「…ッ、A…」
『無理して喋んなって』
必死にしがみ付けば
背中をゆっくり撫でてくれる
JM「迷惑を掛けてすみません」
『ジミナが謝ることじゃないだろ』
JM「後のことは僕に任せてくれませんか?」
『いいけど、、あんまりやり過ぎんなよ?』
その言葉には返事をすることもなく
男は道場を出て行った
『ジナ、立てるか?』
だいぶ呼吸は落ち着いてきたけど、、
返事の代わりにシャツを握る手に力を篭めた
― その強さは反則 ―
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時