19 JN side ページ19
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『じゃあ、今までの彼女も
先輩と同じ理由で付き合ったのか?』
「…最低?
でも、他にどうしたらいいかわからなかった…」
『そっか…
彼女ができたっていうのに様子おかしかったもんな…」
気づいてたんだ…
耳にはAの声だけが響く
『今年の最初さ、俺、窓際の席だっただろ?
窓際って外の景色がよく見えるんだよ』
何の脈絡もない話に
Aの言おうとしてることがわからない
聞き返そうと口を開いたけど
それを遮るようにAが続けた
『…特に屋上
ジナがたまに授業サボって女の子とヤってたのも…』
頭の中が真っ白になった
身体を今まで経験したことのない震えが襲う
授業をサボって行為の場所に選んでいたのは
屋上がほとんど
授業中で普段は立ち入り禁止の屋上なら
誰にも見られることはないと思ってた
よりによってAに見られていたなんて…
『なんでジナがそんなことするのか理解できなかったけど
なんとなく分かった気がする
…俺がジナを苦しめてたんだな』
Aが目の前に姿を現し
ベッドの上に座った
俯き
自分の膝で顔を隠す
次に告げられるであろう別れを覚悟して
目を瞑った
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時