【ハイキュー】うちの姉ちゃん【短編集】

二口姉 ページ32

俺には姉がいる。


俺の姉だから俺とそっくりでさぞ美しく性格がいいと思うだろ？

俺とそっくりでな？？




「邪魔」

「痛っっっっ‼‼何すんだこの野郎‼‼」

「野郎じゃないわ乙女よ‼‼‼」

「お前が乙女なわけねぇだろ‼‼」






違う。

姉はゴリラだ。




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「はいはい退いた退いた」

「ちょっ‼俺が洗面所使ってたのに‼‼」

「知るかバーカ‼‼」

「痛っっっってぇな何回殴れば気が済むんだよ‼‼」



そして、




「………もういいわクソが」

「うぇーい」



非常に不本意ながら、俺は姉に勝てた試しがない。


幼い頃から、姉がイラついてれば八つ当たりされ、

欲しいものがあればぶん取られ、

事あるごとにぶん殴られ、

口喧嘩でも毎回負け。


大きくなったら絶対に仕返しをしようと心に誓っていたが、俺が成長すればするほど姉はゴリラへと進化を遂げていった。

そのため姉の身長も、体重も、握力もゆうに超えた現在でさえ結局は毎回俺が折れている。


そう、姉にとって俺は

『下僕』

なのだ。


いや弟を下僕みたいに扱う姉があってたまるかよ。





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「………クッソ、いつか絶対勝つ」




覚悟しとけよゴリラ女




「なんか言った？」

「別に？空耳じゃね？ババアだから」

「ババアじゃねぇわブス‼」

「ブスじゃねぇ‼‼イケメンだわお前と違って‼‼」

「私は世界一美しいわ‼」

「っっっってぇ‼だから蹴るなよブス‼‼」

「お前もっぺん言ってみろ表出ろや！！！！」




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だがしかし、今日もまた姉に負ける弟

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