From M。

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めめは何も言わん



目すら合わせてくれへん







『は、説明も出来ひんの？』


「っ…」




木偶の坊と化した めめに、涙を堪えながら詰め寄る









『答えてや？』




床へ落とされた視線を拾うのように、彼の顔を見上げた








　







　







「ごめん」




弱くて脆い、ほっそい糸みたいな声





　



それは、何に対してのごめんなん？









言わなかったことなんか



誤魔化したことなんか



俺を裏切ったことなんか






　


　






『俺な、めめのこと信じてみよ思うたんやで？』





しょったと照兄に、そう背中を押された






その矢先やったのに







　





「でも違う、康二が思ってるようなことはしてない」


『なんや、俺のこと丸め込もうとしとるん？』


「それも違う」






めめは、話をまともに聞かへん俺の手を掴むが、振り払う






　



　




『今さら後出しで言われても、信じられんよ』





触れられた腕に熱を灯したまま、俺は自分の荷物を乱雑に片付ける






　



その際、めめは止めようとせんかった







　





　






「康二…」




ただ、俺の名前を苦しそうに呼ぶだけ






　




珍しく弱々しい大好きな人、抱きしめたい衝動に駆られるが





必死に我慢して、家を飛び出した







　






　






『う、あっ…っ』




涙と共に吐き出される嗚咽を噛み殺して、何も考えずに走る







　





どこに行くんやろ





でも、俺はどこに行っても






　




めめから逃げられる気がせんよ






　





やって、





一歩、また一歩進むたびに



影に釘でも刺されてるんか、







足が重くなる






　



　








めめを諦める方法



　





そんなん、存在せんのや

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