From M。

２７、 ページ27

・





「ニュース観た？」


『うん』


「あれ、違うからね」


『うん』







なんやろな



離れとるはずなんやけど








めめが俺を抱きしめてくれとる



頭を優しく撫でてくれとる気がすんねん







　





『全部、あのニュース全部が嘘ってことでえてんよな？』



「…俺を信じて欲しい」







めめの言葉にボロボロと涙が溢れてくる









そや、信じるんや



ちゃんと決めたやんか






　






「俺が好きなのは、康二だけだから」


『う、ん…俺も好きやっ』






めめ しかおらん


めめ だけなんや






せやから、もう決めたる




逃げんのもやめるわ








　






『めめ、今日会えへん？』


「え、」


『待たせてた話、せん？』






電話の向こう側で、めめが笑っとる気がする



嬉しそうに手で顔を覆っとる、そんなんが想像出来た







　






「する、早く仕事終わらせる」


『はは、ゆっくりでええよ』


「いやだ、佐久間くんに押し付けて帰る」





おい！なんて声が聞こえる


こら、さっくん怒っとるやんか笑






『あ！それなら、めめの家で待っててもええ？』


「うわ、俺我慢できる気しねー」


『あほ！』







多分、そーゆー流れになるんやろうな







ほんま、めめの脳内はソレしかないんか！？




そう言っても「康二が可愛いから」とか言われるのがオチやろうけど









「なるべく手出さないように頑張る」


『え、我慢するん？』


「…しない」


『せんのかい笑』






近くで照兄と しょったが微妙な顔されるけど、気にせんよ！



勝手に羨ましがってろや！







　





「じゃ、そろそろ切るね」


『おう、お互い仕事 頑張ろな』


「うん」






しかし、2人の掛け合いは途切れることなく続いて






　







『めめから切ってや』


「康二の方が先輩なんだから、切って」







どっちが通話終了するかを押しつけ合う






『嫌や、寂しいもん』


「それは________、ちょ、佐久間くん！？」


『え、さっくん？』


「ごっめーん康二！末っ子が惚気がゲロ甘すぎて耐えられないみたいだから切るね！」


『お、え？おおっ？』






ラウールか！？と、聞こうとする前に、電話が切られていた






　






　




「「佐久間がやってなかったら、俺がやってたわ」」



『なんや、2人とも仲ええな』

２８、《綻び、ほつれて》→←２６、

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す