From M。

１２、《ぷっくり》 ページ12

・数週間後のお話






痛い…ヒリヒリするで




俺は違和感のある胸に手を当てて、顔を歪めた







「康二、どーした？」


『ふっかさぁん』






今日の相棒、ふっかさんが心配して話しかけてくれた







『その、胸が痛くて』


「病院は？」


『いや、そういうことやなくて』


「は？」





痺れを切らした ふっかさんが、両胸を覆う俺の手を退かした






　






　






「おま、めっちゃ腫れてんじゃん」


『うう、めめのせいや…』





昨日、めめが俺んち遊びに来たときに、仕事の話になったから




『ふっかさんとの生放送楽しみや！』なんて言うたら、こっ酷く抱かれてもうた






しかも、しつこく胸なんか弄ってきたもんやから、服が擦れるだけで痛みが走る






　



「お前らな…」


『ふっかさんやって、この前キスマーク付けられとったで？』


「え、」






メイクさんが こっそり隠してくれたんやけどね






「過去の話はいいから、これ貼っとけ」


『絆創膏？』


「これなら擦れても痛くないし、透けねーだろ」


『そ、そやな！芸人魂や！』


「アイドルだろ」





言う通りに絆創膏を受け取り、ふっかさんに背を向けて服を捲し上げる





　




『う、わ…』





腫れ酷なってるやんか



ピンク通り越して赤くなっとるもん







　






『ん、』






敏感なソレに触れるだけで声を漏らしてしまう



めめ、絶対に許さんからな！！








「貼れた？」


『おう、バッチリや』





振り返って胸を張ると、呆れたように笑った





「ほんと、めめって胸好きだよな」


『水着のお姉さん好きや言うてたもんな』






何を考えとったんか、一極集中に責めよって…！





そりゃ、気持ちよかったでしょ？なんて聞かれたら頷いてまうけど



加減を知らんのや、めめは！





　




「ほら、撮影始まるぞ」


『任せとき！』





先を行く ふっかさんの後ろに着いていくと、なんや顔を顰めた





　





「なんか嫌な予感すんだよな…」


『盛大にスベるんやない？』


「康二が？」


『ふっかさんが！』

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