第２ボタン【永瀬】

なっとく ページ11

「あ、A
　やっと戻ってきたー」


輪に戻るなり、
そんなことを言われて。


「ごめんごめん」


謝ると、早く並んでーって急かされる。


「集合写真撮ろうって話してたのに、
　A来んから暇で暇で」

「呼びに行こうと思ったら、
　何か邪魔できない雰囲気やったし」

「そんなことないやろ」


「そんなことあるわ！」って
隣にいた友達に若干キレ気味に返されて、
思わず笑ってしまった。


「A、こっち！ほら並んで！」

「うん！」


私を呼んだ葉月の隣に並んで
笑顔を浮かべると、


「な、Aの方が先に彼氏できたやろ？」


なんて囁きが、隣から聞こえて。

思わず横を見れば、
彼女がニヤリと笑った。


「ネタばらしするとね、
　私 西畑先輩から相談受けてたんよ」

「…西畑先輩？」


西畑先輩といえば、
陸上部に所属するあの可愛い先輩で。

ああ…そう言えば葉月、陸上部だったね。


「そ。永瀬、西畑先輩と仲ええんよ。
　そんでアイツ、先輩にAのこと
　色々相談してたんやって」


なるほど、で 西畑先輩は
永瀬にされた相談を
葉月に相談していたと。

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