いつの間にか。【松島】

アドレス ページ11

ピロリンッ

と携帯から音がして。

真奈かな？と思ってメールを開けば、
そこには久しぶりにメールする
同じクラスの女子の名前が。

…何で、今さら、
わざわざ、メールしてくる？

不審に思いながらも
それを開く。

中には、見慣れない
英字と数字、記号が並んでいて。


―松島のメアドです
　メールしてあげてね！


なんて、ご丁寧に
メッセージまで付けてくれて。

…これだから、
恋愛ドラマ好きのミーハー女子は…

『私がキューピットになってあげる！』
的なこと、考えてるんでしょ？

…余計なお世話だ。

とりあえず、
送られてきたアドレスを登録して。

松島…下の名前は、聡？

フルネームで登録された、
彼のアドレス。

…メールって、何打てばいいの？

打っては消して、打っては消して、の
繰り返し。

…ストップ。

好きでも何ともないはずの
松島君にメールを打つだけで、
なぜ私は、こんなに考えこんでる？

―けど、時間の問題だと思うよ。

そんな松倉の言葉が蘇ってきて。

…いやいや。ないない。


―Aです。
　友達からアドレス回ってきたので、
　登録しておきました。


なんとも可愛いげのないメールを送信して、
携帯をベッドに投げ捨てる。

…ないよ、ないって。

…まさか、だもん。

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