私はヒロインのお友達

20:渦巻く感情 ページ22

その頃のAは―――

「あ、あの〜。」

「どうしたんだいAちゃん」

「これは、なんですか？」

「弁当だが？」

「じゃなくて！何でここに草津が？」

今は昼休憩で、皆がお弁当を作ってきてくれたと言うので行くと、何故か草津彰がいた。

「なんかデジャブ……」

「いいじゃん！」

切実に殴りたい。その笑顔

「私が誘ったの。」

「あ、里奈」

「ダメだった？」

ダメに決まってるじゃん！なんか色々めんどくさくなりそう。

「ところで、草津弁当は？」

「わ、すれました……」

「馬鹿なの？」

「俺は馬でも鹿でもない！つまり馬鹿じゃない！」

どういう思考回路だよ！馬でも鹿でもないって…

「まぁ、いいや。食べよっと！」

「あ、その玉子焼きは谷崎くんが作ったんだって〜！」

「そうなの?!すっごく美味しいよこれ！」

「あ。そのおにぎりは僕が作ったんですよ！」

?!?!?!!?!?!
け、賢治くんの作ったおにぎり…
なんか緊張する。

「お、美味しい！この梅干しも美味しい…」

「良かったです！実はその梅干し、僕の故郷から送られてきたんですよ。」

「そうなんだ！」

「(こいつが宮沢賢治か。負けねぇからな。絶対に！)」

(なんか草津がめっちゃ睨んでくるんですけど〜)

「(草津さん、だったかな？絶対Aさんのこと好きだ。でも、これAさん気づいてないな…)」

「(計画通りに動いてよね草津くん。)」

「(何も見えない。僕の超推理でも分からない。けど、何かしようとしているのは分かる。だから止めてみせる！)」

色々な思いが渦巻く運動会。どうやら、荒れそうですね。さてどんな運動会になるかな？

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