【オリジナル×ダンガンロンパ】二人の少女 (ページ42)

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第29話　　優也過去編ページ42

保育園の頃はずっと…って言っていいほどよく遊んだよ。でも、くせだったから自分を卑下するのはなかなか治らなかった。

(人1)には『直しなよ』って言われたりもしたけれど直したくても直せない。それがくせというもの。

それから、同じ小学校にあがって1・2年の頃は同じクラスだった。俺はなんとなく卑下するくせは治りかけてはいたけれど、それでもやっぱり口からでるものはしょうがなかった。

クラスメイト：「わー、こいつ自分のこと、ゴミだとか言ってるよー！」

クラスメイト：「気持ち悪ー。」

…それが俺に放たれる言葉のほとんどだった。自分の机の周りにはまるでゴミ箱をひっくり返したような散らかりよう。そしてそれを見てくすくすと笑っているクラスメイト達。知らんふりをする先生。…みんなみんな最悪で最凶だった。

…そんな時も必ずといっていいほど(人1)が傍にいた。(人1)はクラスの人気者で(人1)といっしょにいる時限りは俺はいじめられることはなかった。

何回も何回も同じような言葉を聞いて、それでもその言葉で何度も助かったことがある。

…『いつも私が、優也のこと守るから』…と。

死にたくなっても、辛すぎて自殺しそうになってもその言葉で嫌と言うほど助けられた。

2年になったとき、やっとクラスメイトに話しかけることができるようになった。1年から同じクラスメイトは話すのをためらっていたが、やがて楽しくわいわいと話していくことが増えていった。

…これが、友達というもので、これが幸せというもの。

小4になってからは自分を卑下することはほとんどなくなり、クラスメイトで遊ぶことも多くなった。それはもう、幸せでしかなくて…いや、本当に幸せで溢れかえっていた。

いつの間にか(人1)のことを苗字で呼ぶことに慣れてしまい、(人1)と遊ぶのも二週間に一回程度となってしまった。

…俺はその時、気づいてもいなかった。…当たり前のようにいっしょにいた幼馴染が離れていくのを。

…それは、小５の冬休みのことだった。

優：「…倒れた!?」

電話で母から聞いた言葉は自分の頭に嫌というほど響いた。全身が震え、瞬きすらできない。
…倒れたのだ、(人1)が。俺は無我夢中になって(人1)のいる病院へと向かった。
冷たい雨がぱらぱらと降っている最中で、傘も差さずに飛び出した。

…信じられなかったのだ。

そのことを、信じることができなかったのだ。

いつも当たり前に傍にいてくれたあの(人1)が、だ。