W.box (ページ34)

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嘘はウソをよぶ　続編ページ34

上司に呼ばれて遅くなった。
部署に戻ると1人残業しているAがいた。

「残業？」

残ってるって思わなかったのか、オレの声を聞いて一瞬拒否するような空気を感じた。

「まだいたんだ」

「手伝う？」

「もう終わるから大丈夫」

「話、あるんやけど…終わったら」

「今して、聞いてるから」

また拒否されてる。

「この間、ごめん」

「もういいよ、気にしてない」

合わない視線。

オレ…
そう言ったと同時に呼ばれた名前。

「神ちゃん、ちょっといい？」

振り向くと入り口に立っていたのはしげの彼女、オレが好きだった子。

「お疲れ様でした」

Aはオレを行かせようとしてるのか、急にそう言った。

しげの彼女に呼ばれた理由は誕生日にどんなものあげれば喜ぶかな？って話。
しげの好きそうな物を何個か提案して別れた。

すぐに戻ったけどもうAは帰っていて居なかった。

あんなに好きだった子と話していたのに、オレが考えてたのは別の子だった。

会社を出て歩いていると、少し前に知ってる後ろ姿を見つけて走り出していた。

いつかみたいに振り向かせると、あの時とは違って泣いていた。

別に泣いてないよ……って言ったあの日。

なんで今は泣いてるん？？