母の友達 (ページ19)

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神「おじゃましました。ごちそうさまでした」

母「また来てね～」

お母さんと2人玄関でお見送り。
神山さんが帰った瞬間、おっちょこちょいが大声を上げた。

母「あ！！」

「なに？ビックリしたなぁ～」

母「神ちゃんにこれ渡すの忘れた！！」

玄関に置いてあった紙袋…

母「A、ダッシュ！！
今ならまだ間に合う！！」

「は？ヤダよ」

母「フラダンスやり過ぎて走れないの！！」

「もう！！」

中身がなんだかも分からない紙袋を持って、神山さんの後を追った。
もう見えないんだけど…
追いつく？これ…

見えた背中…

「……ストップ！」

神「うわっ！どうした？」

「良かった……これ、お母さんから」

謎の紙袋を渡した。
渡す瞬間に少し触れた指先……

神「息上がってんな…わざわざ走らなくても電話くれたら」

そう言って笑った……

神「え？……」

「あ、ごめんなさい！」

急に私が神山さんの空いてる手をにぎってしまったから、驚ろかれた…
そんなことした自分にも驚いた…

神「どうした？」

「分かりません…なんか、手を繋ぎたくなって無意識に触ってました。すみません…」

神「無意識って怖いな」

また笑うと、私の横に来て手を繋いだ。

「……え？」

神「すぐそこやけど、送る」

「1人で帰れます。大丈夫…」

そう言ったけど、引っ張るように神山さんはもう歩き出していて…私もつられて歩き出した。

神「これなに？」

「中身知らないです。お母さんに渡されただけ…」

神「帰るまで楽しみにしとこ」

繋がれてる手は違和感ありありなのに、
何事もないようにするから、離すタイミングもなく短い距離をそのままで歩いた。
恋人繋ぎとは違う普通の繋ぎ方だけど…
繋いだ手はすごく暖かかった。