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〇19話〇 ページ20
カノ君から貰ったコーヒーはとっくに冷めていた。
けど、飲んだらなんか暖かくて…
ドアノブを回す音が聞こえてカノ君がなにやらタオルを持って私の所へ来た。
「腕、すごく痛そう…とりあえずこれで冷やしてて。真向かいの魚屋さんで保冷剤貰ってきた。」
と、男に強く掴まれた右腕をそっと撫でてから優しく保冷剤を巻いたタオルで包む。
「安静にしててね、湿布の方がいいかもって思ったけど、かぶれたりしたらもっとAちゃんが痛い思いしちゃうかもなって…じゃああまり右手動かさないでね。」
「何から何まで…ありがとう。」
涙声だったと思う。
カノ君はどーいたしましてと笑い、ヒラヒラと手を振って裏を後にした。
カノ君の優しさが、心がポカポカして冷えたコーヒーも、冷たい保冷剤もなんだか暖かく感じるのかと巻いてくれたタオルをさすってじんわりと涙が出た。
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作者名:めみ | 作成日時:2015年3月1日 16時