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「身長の話はすんじゃねえよ!」
「判った判った。
……まあ確かに、他人の身体的欠点をあげつらうのは品位に欠けていたね。もう二度と云わないから許してよ、ちびっこ君」
「てんめえ!」
「はいそのへんで」
いつまでもほっとくと永遠に続けそうな二人の悪口と暴言の応酬に、見兼ねた森が手を叩いた。
「昨日会ったばかりなのに、仲がいいねえ君達。さて……中也君が云った通り、黒い爆発の事に就いて少し話がしたい。蘭堂君、悪いが外して貰えるかな?」
蘭堂と呼ばれたのは、中也を異能により拘束していた護衛の異能者だ。
長く波打つ黒髪に不健康そうな目をした男。
その男が難しい顔で答えた。
「首領、それは……お勧め出来ぬ事。この小僧は危険……」
「まあまあ。異能無効化の太宰君も来たし、その他にも手は打ってある。何よりエミリーちゃんがいるじゃあないか。それに蘭堂君、いつもより寒そうだよ。顔色も悪いし。大丈夫?」
問われた蘭堂は、今の季節には不釣り合いなほど、厚着をしていた。
「恥を承知で申し上げると……凍え死にそうで御座います………」
『蘭堂様、後で紅茶でも淹れましょうか?確か執務室にも長外套があったと思われます。』
「ああ、すまない。お気づかい有難う。」
蘭堂はそう云って、ぶるりと体を震わせ自身を抱きしめるようにしながら、フラフラと出て行った。
エミリーもその後を追うようにして部屋を出て行く。
中也を拘束していた異能が消滅した。
「森さん、いいのかい?エミリーさんにも関わる話じゃ……」
「彼女にはもう話てある。」
そう、目を細めエミリーの出て行った扉を見つめながら森が呟いたら、
「そう。」
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酸素無駄遣い装置 - みのりさん» 嬉しいです。有り難うございます。更新、なるべく毎日できるように努めます。 (2019年8月17日 10時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初コメ失礼します!酸素ちゃん、更新頑張ってね?応援してるよ! (2019年8月17日 6時) (レス) id: 671f4436ea (このIDを非表示/違反報告)
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