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「チッ、手前何の異能だ。」
少年はエミリーの攻撃を受け流しつつ、云った。
エミリーは問いには答えず。無言で銃弾を放った。
それを少年が弾きかえす。
が、その銃弾が再度少年の方に向かい肩に着弾した。
「があっ……なっ!?手前ッ!!」
少年が出血する肩を押さえ、地面に膝をつきながらエミリーを見上げた。
『……貴方、《羊》の王。中原中也ですね。』
「俺は王じゃねえ」
中原中也と呼ばれた少年は続けた。
「ただ手札を持ってるだけだ。『強さ』って手札をな。その責任を果たしてるだけだ。」
『その末路がこれですか。』
「あぁ"!?」
中也がエミリーに襲いかかろうとしたその時。
「動くな!」
銃口が中也に向けられていた。
小銃、拳銃、
「投降せよ、小僧」
マフィアの方位の奥から、静かな声の広津が現れた。
「その若さで、自分の内臓の色を知りたくはなかろう」
「幾ら凄んでも怖くねえよ、ジイサン。俺に銃は効かねえ。全員ぶっ倒して帰るだけだ。」
そう云う中也を広津が見下ろす。
無数の銃火器が更に突きつけられる。
『……広津様、彼はこちらで。』
「………貴方は?」
広津が今気付いたとでも云うようにエミリーに訊ねた。
『申し遅れました。首領直轄の補佐、太宰様のお世話を担当しております。エミリー・ブロンテです。』
「手前外国人か、」
「口を慎め」
広津が中也の頭に手をかざす。
「この方は首領
「面白ぇ…出来るもんならやってみろや。」」
そう呟いて中也が立ち上がろうとした次の瞬間。
黒い炎が、全員を水平に吹き飛ばした。
『……襲撃……否、これは。』
エミリーは黒い衝撃波により宙へ投げ出されながら周りの状況を整理していた。
辺り一帯が黒い衝撃波に薙ぎ払われ、人、地面、建物、木々も、あらゆる者がその衝撃波によりさらわれていった。
黒い爆発、擂鉢街の中心近くで起きたその爆発が、あらゆる者を薙ぎ払ったのだ。
『太宰様!中原様!』
エミリーは衝撃波を利用し、くるりと宙を一回転、着地。
すぐに異能を使い、太宰と中也の元へ走った。
中也は意識を失い。太宰は爆発の元を見遣っていた。
エミリーもそれにつられて太宰の視線の先を見遣る。
その爆発の中にそれ、は居た。
『先代。』
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酸素無駄遣い装置 - みのりさん» 嬉しいです。有り難うございます。更新、なるべく毎日できるように努めます。 (2019年8月17日 10時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初コメ失礼します!酸素ちゃん、更新頑張ってね?応援してるよ! (2019年8月17日 6時) (レス) id: 671f4436ea (このIDを非表示/違反報告)
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