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「ねえ?エミリーさんもそう思うでしょ?」
太宰が先程からずっと立ったままのエミリーに話しかけた。
『………………森様。』
「え?私?」
エミリーがすっと体を森の方に向けると、森が自分を指差し首を傾げた。
エミリーがこくりと頷く。
『森様、一つ云わせて頂きます。』
「うん?」
エミリーが一度目を閉じてまた開き……
『まず一に森様、お金がない、情報がない、部下からの信用がない。などの文句は昨日、書類整理そっちのけでタラタラと呟いていた筈ですがまだ足りなかったのですか。そんな文句を垂れるよりかはあなたのしなければならない事は文字通り、や・ま・ほ・ど、御座います。』
「あぅ…」
山ほどのところを特に強調しながらこれを表情一つ変えずに云う。
森が情けない声を出して縮こまった。
『それと、太宰様の持っているその高血圧と低血圧の薬は本来薬品庫にあるべきものの筈ですが、お金がないなどと仰っていた割にはお気になさらないので。』
「へぅ…」
そう言いながらも太宰の手にあるビーカーを取り上げ、診察机の方に退ける。
太宰が あ、と声を上げてそのビーカーを目で追い頬を膨らました。
「むぅ」
『それと、森様』
「はいぃ……」
心なしか、先程より一回り小さくなった森が情けない声を上げる。
『森様、先日……ウン百万程の幼女用洋服を二着程お買いになられたようで………お金が無いと云ったのは、ど・ち・ら・さ・ま・で?』
表情は無表情なのに、異様に怒気が含まれていて迫力がある………。
「あっはははは……」
森は、エミリーのド正論にただ苦笑するしかなかった。
「云われてやんの」
太宰がポツリと呟いた。
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酸素無駄遣い装置 - みのりさん» 嬉しいです。有り難うございます。更新、なるべく毎日できるように努めます。 (2019年8月17日 10時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 初コメ失礼します!酸素ちゃん、更新頑張ってね?応援してるよ! (2019年8月17日 6時) (レス) id: 671f4436ea (このIDを非表示/違反報告)
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