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月だけが見ていた ページ27
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好きと言うくせに、付き合ってとは言われないのだから。所詮は松川さんのお遊びに過ぎないのだ。手のひらで転がされる私を見て楽しんでいるんだ。
きっと、きっと。私が報われることはない。
可能性がないのなら私で遊ばないで、私に気がないなら突き放して。私からは離れることができないのだから。
沸々と苛つきが募る。溜めて溜めて溜めて、きっといつか爆発する。
イライラした後は決まって悲しくなる。落ち着きを取り戻して今度はマイナス思考に陥る。こうなるのが嫌で仕方ない。
「あ、ここだ。#名前#ちゃんそっち側狭くない?大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
一人で悶々としていればいつの間にか目的地に着いていた。
一旦忘れよう。食べて飲んで、今日は帰ったら思いっきり泣こう。そう決めて車から降りる。
「ここ、結構来るんだけど美味しいんだ」
「そうなんですか!楽しみです」
暖簾をくぐり、松川さんの後に続いて店に入る。
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作者名:お湯 | 作成日時:2019年5月9日 19時