manager2 ページ4
.
猫又監督に一応挨拶をすると、全員の前に立たされた。
私なんかよりみんな背が高くて、上から見下ろされてる感が凄い。何だこの圧。
みんな新しいものを見るような目で私を見ている。
何となく自己紹介をし、
本日はよろしくお願いします、と伝えて一礼した。
周りからは拍手の音が聞こえて来る。
監督の話が終わると皆がバラけて行った。
ふう、とため息を着いて指定されたパイプ椅子に座ると、それはギシと音を鳴らした。
「Aちゃん。今日はよろしくね」
光が遮断され、影がすっぽりと私に覆い被さる。
上を見れば黒髪の人が腰を曲げてこちらを見ていた。
『...はい、えーっと』
「3年、黒尾鉄朗。主将だ。よろしく」
目の前に大きな右手が差し出される。
それに恐る恐る手を近づければ、握手をされた。
『よろしくお願いします』
取ってつけたような笑顔を見せた黒尾さんは、
皆の方へ行ってしまった。
.
.
研磨side
「ちょっと研磨、こっち来い」
クロが高坂Aの横に座っている俺の腕を引っ張って立たせ、歩き出す。
その顔は少し焦っていた。
少し離れた場所で止まると、クロは小声で話し始めた。
「なんで高坂Aと研磨が2人でいるんだよ!」
「...例のマネージャーだって」
「マネージャー...?」
ハッとして虎の方を見たクロ。
一方で虎はこっちを見ていて、
ファイトと言わんばかりに拳を突き出す。
その後高坂Aの方に向かって虎は走り出した。
「Aちゃん、マネージャーなってくれるの?」
「知らないよ。本人に聞けば?」
「無理に決まってるでしょうが!」
あまり取り乱さないクロがこんな風になるのは珍しい。
その理由は高坂Aなんだけど。
横目でクロを見ると、
その目は真っ直ぐに彼女を見ている。
そう、クロは前から高坂Aが好きなのだ。
.
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メイ | 作成日時:2021年8月22日 2時