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会うたびにいがみ合っていたサラとナハト。
それが変わったのは、モルゲンが亡くなったと聞かされてからだった。
ヤミと共にモルゲンの墓に訪れると座り込みうつむくナハトの姿。
いつもは大きく見えた背中も今は小さく見える。
ヤミはナハトに歩み寄る。
ヤミ「オレ、いつか自分の団つくるわ。オレが騎士団長なんざめちゃくちゃ笑えるだろ?」
ヤミはナハトの横に置いてあるタバコを手に取った。
ヤミ「…もし実現したら…お前が副団長になって一緒に笑われろ」
ヤミはタバコを一本取り出し、火をつける。
まだ吸いなれていないので咳き込むが、気にせずに吸い続け、ナハトに背をむけて去っていった。
ヤミに傘を渡し、もう一つの傘を持ってナハトのもとへとサラは歩み寄った。
しかしナハトにかける言葉が上手く見つからない。
『ナハト…私アナタのこと正直苦手だったけど、モルゲンからいろんなことを聞かされたの。本当にモルゲンはアナタのことが好きだったんだね。だからアナタを命を賭けてでも守りたかったんじゃないかな…。これからアナタがどうするかは分からないけど……生きて』
ナハトは目を見開く。
弟を追って死のうとしていたのは事実だったからだ。
『今のアナタがするべきことは生きること。死のうとするなんてモルゲンが望んでいないし、それは逃げだよ』
もう一つの傘を置いて、サラはフードを被り去っていった。
それからだった。
ナハトは変わり、金髪に染めていた髪の毛を黒に戻し、モルゲンのようにポニーテールにし、性格までモルゲンに似せ始めたのは。
『…もうモルゲンに縛られないで、自分で生きてみたら…?』
ナハト「お前のそう言う所が嫌いだ」
『嫌いで結構。私も今のナハトは嫌い。まだ昔のナハトの方が好きだよ』
ナハト「……………」
ナハトは黙り込んでしまう。
ナハト「お前に何がわかる」
『うん…双子のアナタよりはモルゲンのことはわからないよ。でもね、アナタのことを嬉しそうに自慢するモルゲンは知ってるよ』
ナハト「…!」
笑うサラに思わずモルゲンを重ねてしまうナハト。
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かりな(プロフ) - ラナが氷の中いた時の物語みたいです。 (2022年11月12日 13時) (レス) id: 7fdaa38abf (このIDを非表示/違反報告)
芽衣(プロフ) - かりなさん» リクエストありがとうございます!シチュエーションのリクエストはありますでしょうか?? (2022年11月12日 9時) (レス) @page22 id: c3f5046ce0 (このIDを非表示/違反報告)
かりな(プロフ) - ラナと ライアの絡み見てみたい (2022年10月26日 19時) (レス) id: 7fdaa38abf (このIDを非表示/違反報告)
芽衣(プロフ) - 影狐さん» コメントありがとうございます!気に入ってくださって本当に良かったです(^^)またリクエストがあれば、お待ちしていますので、お願いします。 (2022年9月14日 11時) (レス) id: c3f5046ce0 (このIDを非表示/違反報告)
影狐(プロフ) - 書いてくださって本当にありがとうございます😭難しいリクエストだったのに本当にいい内容でした!これからも楽しみにしています!! (2022年9月14日 6時) (レス) @page4 id: 09a29cb078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽衣 | 作成日時:2022年9月10日 12時