雪月花２

崩壊と救済 ページ23

『魔宮が…崩壊する―――！！』



ラルクの下から離れ、アスタ達の下へと駆け寄る。



ﾕﾉ「風創生魔法 ”天つ風の方舟”」



ユノが風魔法で竜巻を創り出す。



ﾕﾉ「みんな乗れ…脱出する！！」

『アスタ！！』



ラックがアスタを抱え、竜巻に乗せる。
A達もそれぞれ乗り込む。
アスタの下へと駆け寄り、Aは怪我をしている腹部へと手をかざす。



『女神回復魔法 ”アテナの恵癒羽”』



回復魔法を使うとAの背中には四つの翼が生え、アスタには無数の羽が振りそこから傷を癒していく。



ﾐﾓｻﾞ「Aさん、その魔法は……？」


『今は話す暇がないわ』

ﾕﾉ「Aさん…！アスタを頼みます…！」

『えぇ』



その時アスタが意識を取り戻す。



ｱｽﾀ「……う…………あ…いつを………」

ﾐﾓｻﾞ「…しゃべらない方が……！」

ｱｽﾀ「…アイツも…助けてやってくれ……！」



アスタの目線の先には倒れているマルス。



ｸﾗｳｽ「な………！！何を言っているのだ…！？ヤツは我々を殺そうとした敵国の者だぞ―――…！？」

ｱｽﾀ「…オレ達は……魔宮を攻略しに…来たんだ………敵を…殺しに来たんじゃ…ない………」




アスタの言葉に目を見開く一同。
しかし、アスタは再び気を失ってしまった。



『そうね、アスタ。ミモザ大分回復したと思うけど、あとはよろしくね』

ﾐﾓｻﾞ「え、Aさん！？」



アスタの回復をミモザに任せるとAはユノの風魔法から飛び降りる。
ノエル達のAを呼ぶ声が聞こえるが、Aはマルスの下へと駆け寄っていく。
すると遮断するように大きな瓦礫がノエル達とAとの間に落下し、向かう事が出来なくなってしまった。




ﾗﾙｸ「あんたは…」

『行くわよ！乗って！！』



Aは氷魔法で創り出した白鳥に乗りながら、乗るように急かす。
一瞬の間があったが、ラルクはマルスを担ぎ、白鳥に乗った。

少し遅れてラックとクラウスが創った出口から魔宮を脱出した。









『危なかったわね…』

ﾗﾙｸ「あんたオレ達敵をどうして…」

『何度も言わせないで、あなた達は確かに私達を襲ってきた敵よ。だけどね、死んでいい命なんてどこにもないの』



ラルクは目を見開きながらAを見ていた。



『さて…いるんでしょロータス』

ﾛｰﾀｽ「…いやぁ〜、さすがAちゃんだね、オジサンのとっておきの隠し玉、透明になれる”隠者の濃煙”でもバレちゃうか…」





.

２→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す