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そしてデート当日、現地集合だけど康二くんに一緒に行こって言われて駅で待ち合わせた。
「あっちも2人で来るみたいやから、こっちも2人の方がええと思って」
そう言うけど、多分私が先着いた時に気まずくならないようにじゃないかと思う。
仲良くなって数日だけど、康二くんが優しさの塊ということだけはすぐにわかった。
『それカメラ？本物？』
「本物！」
『え〜すごい！康二くんの？』
「そうそう、撮るの好きで」
電車に座ってトートから出てきたカメラを見せてもらう。
写真はそんなに詳しくないけど上手だなって思った。
『すごいね、上手』
「こだわっちゃうのよね」
『へ〜…あ』
順番にフォルダを見させてもらってたら、知ってる顔が出てきた。
これから待ち合わせている2人の写真。
捜査していた康二くんの指が止まる。
「…この2人が断トツで多くて。撮るの」
『…本当に仲良いんだね』
「先輩とか自分から撮って撮って言うんよ。
ほんまに困るわ(笑)」
困る。
笑って言われた言葉を、どういう意味で取っていいかわからなくてとりあえず頷いておいた。
撮ってと言われることが困るのか、
思い出が増えることが困るのか。
気づくとカメラは仕舞われていた。
「ごめんなぁ、わざわざ付き合わせて」
って康二くんが顔の前で手を合わせる。
「今から断っても全然ええよ」
『平気だよ(笑)遊園地久々だから楽しみ』
「ほんまに？」
『本当』
ならよかったと笑う康二くん。
その笑顔を見て、私も逆に聞いてみた。
『…康二くんこそ平気？』
「え？」
『その…先輩のこと』
…あ。
表情、固まっちゃった。
「……えー何急に！全然平気よ」
『…そう？』
「ほんまに。とっくに振られてるしね」
『…そっか』
何の躊躇いもなくサラッと出た言葉。
本人はそう言ってるけど、
優しすぎるから心配になったのと、
あとなんとなく、無理してそうな感じがして。
『……私になら全然、いつでも言っていいからね』
「え？」
『どうせ全部知っちゃってるしさ』
「…」
『何かあったら、聞くから』
そこで電車がトンネルに入って、会話が止まる。
…どうしよう。
ちょっと図々しかったかもしれない。
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きき - 読んでる途中で何回も泣きました。何回も読み返しにきます。素敵な小説をありがとうございました。 (2022年12月20日 1時) (
レス) @page45 id: 2e4c7a3530 (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - 涙が止まらなくなりました…良すぎてよすぎて胸が痛くて最高すぎます… (2022年12月11日 0時) (レス) @page45 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
りえまりこ(プロフ) - 何度も読み返したくなる作品で、何度読み返しても心が動かされます。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月9日 6時) (レス) @page45 id: 1f2c4c1078 (このIDを非表示/違反報告)
みんみん - めっちゃいいお話でした！！途中感動で泣いちゃいましたよ。思いが通じたところも最高でしたし、その後のしょっぴー先輩のお話もすっごく共感しました！登場人物みんなちょっとだけズルくて、でも正直で可愛いのがホント素敵でした。 (2022年4月25日 15時) (レス) @page45 id: d946c1f5c6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 今まで見た小説で一番好きです！最高すぎますし、天才です！気づいたら泣いちゃってました、、笑 めいさんの他の小説も読ませて頂きます！こんな素敵なお話読ませて頂いてありがとうございます！！ (2022年4月18日 3時) (レス) @page45 id: 8dc1188793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
