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「Aさん聞いてます?」
『え?あ、ごめん聞いてなかった』
「ちょっと!(笑)だからプレゼント!」
『待ってまだ決めてないの?(笑)』
ラウちゃんは当然のように彼女持ち。
ここ3日くらいずっと彼女へのクリスマスプレゼント何がいいのか相談してくる。
『彼氏からもらえたら何でも嬉しいと思うよ?』
「だからもっと具体案欲しいんですって!」
『えぇ、お菓子とか?』
「クリスマスにお菓子はないでしょ」
Aさんまじで参考にならないってため息つかれる。
高校生にこの言われよう。
『じゃあもう他の人に聞きなよ!』
「だって最近Aさんとしか被んないんですもん!」
『そうだよねごめん!』
「きゃはは!」
「いや嬉しいですごめんなさい(笑)」って笑われる。
私なんかを慕ってくれてるこの子に、今あなたを好きってことになってるんだって言ったらどんな反応されるだろう。
罪悪感と申し訳なさでいっぱいだ。
ごめんラウちゃん。
すると入り口から入店音が聞こえて反射的に『いらっしゃいませー』って声を出す。
『え、』
「…よ」
カウンターに姿を現したのは康二くんだった。
予想外のお客さんに一瞬固まる。
「どっか寄ろう思ったらAおるやんって思い出して」
『あぁそっか、お昼に言ったもんね』
びっくりしたって言いながら康二くんの注文を待ってたら「お友達ですか?」ってトレーの準備をしながらラウちゃんが聞いてきた。
それに反応して康二くんがメニューから顔を上げる
『そう、学校の』
「あっそうなんすね。こんにちは」
「…あ〜、この子がハーフの」
脚長、って康二くん。
「え、知ってるんですか?」
『あー私が話したの。高校生の子入ったんだって』
「えぇ、なんか照れる。どうも、ラウールです」
ニコニコで会釈するラウちゃんに、
「ども」って笑い返す康二くん。
…何か笑顔がぎこちないような。
気のせいかもだけど。
康二くんはバーガーのセットをテイクアウトして、
「頑張れ」って私とラウちゃんに手を振って帰って行った。
「かっこいいですね、あの人」
『、ね』
「彼氏じゃないんですか?」
『じゃないよ(笑)』
「めっちゃ見られたから彼氏かと思った」
…見られた?嘘。
だって、康二くんが私の恋愛事情を気にするわけない。
全然そんな風に感じなかった。
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きき - 読んでる途中で何回も泣きました。何回も読み返しにきます。素敵な小説をありがとうございました。 (2022年12月20日 1時) (レス) @page45 id: 2e4c7a3530 (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - 涙が止まらなくなりました…良すぎてよすぎて胸が痛くて最高すぎます… (2022年12月11日 0時) (レス) @page45 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
りえまりこ(プロフ) - 何度も読み返したくなる作品で、何度読み返しても心が動かされます。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月9日 6時) (レス) @page45 id: 1f2c4c1078 (このIDを非表示/違反報告)
みんみん - めっちゃいいお話でした!!途中感動で泣いちゃいましたよ。思いが通じたところも最高でしたし、その後のしょっぴー先輩のお話もすっごく共感しました!登場人物みんなちょっとだけズルくて、でも正直で可愛いのがホント素敵でした。 (2022年4月25日 15時) (レス) @page45 id: d946c1f5c6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 今まで見た小説で一番好きです!最高すぎますし、天才です!気づいたら泣いちゃってました、、笑 めいさんの他の小説も読ませて頂きます!こんな素敵なお話読ませて頂いてありがとうございます!! (2022年4月18日 3時) (レス) @page45 id: 8dc1188793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 23時