14 ページ14
それから康二くんとは学校で話したりご飯行ったり2人でいることが多くなって、翔太先輩たち以外の人からも「いい感じなの？」みたいなことを聞かれることが多くなった。
私は『普通に仲良くしてもらってるだけだよ(笑)』って首を振って、康二くんは「内緒！」って笑う。
その度ごめんって謝られて、
『私は平気だけど、あんな感じで答えたらもっと噂に火がつかない？』
って聞いたら
「でも否定したら変に思われるから」
って困ったように笑った。
誰に、とは言わなかったけどすぐわかった。
康二くんが嬉しい顔するのも、
悲しい顔するのも、
複雑な顔するのも、
全部理由は1つだけ。
「ずっと迷惑かけてほんまにごめん」
『…だから私は平気だよ(笑)』
「でも、」
『平気』
私はその理由にはなれないから
だったらせめて、康二くんが少しでも笑顔でいれるように力になりたい。
『…康二くんが笑っていられるなら、それが1番嬉しい』
「……A、お人好しすぎるやろ」
『え？』
「ちょっと心配になるわ(笑)」
髪が崩れない程度に頭を撫でられる。
手の大きさにドキッとした。
「ありがとう」
『…ううん』
「Aも何かあったら俺に言って！
何でも聞く！」
『…何でも？(笑)』
「えっ何で笑うん？待って何言おうとしてる！？」
『何でもかぁ』
「えー怖！いや、でもそう！何でも！」
口をムッとして何度も頷く康二くんに、
『じゃあ色々考えとこ』って笑った。
「俺が泣かないくらいのレベルやと嬉しいなぁ」
『えぇ。じゃあ1番のお願いは叶えてもらえないな』
「え、何言うつもりやったん？」
『康二くんが確実な困りそうなこと』
「えー待って何！？逆に気になる！」
私の1番の願い。
私を好きになってほしい。
私を見てほしい。
そうお願いしたら、康二くんはどんな顔するだろう。
何度想像しても、康二くんは困った顔をしていた。
『康二くんが笑ってくれれば充分かなぁ』
「やから、Aはいい子すぎやって」
もっと他にあるやろって。
…あるけどさ。
どうせ困らせちゃうから、あなたの前ではいい子でいさせてよ。
2番目の願いを言って、あなたが「いい子」って笑ってくれるならそれでいい。
隣に居させてくれるなら、それでいい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1030人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きき - 読んでる途中で何回も泣きました。何回も読み返しにきます。素敵な小説をありがとうございました。 (2022年12月20日 1時) (
レス) @page45 id: 2e4c7a3530 (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - 涙が止まらなくなりました…良すぎてよすぎて胸が痛くて最高すぎます… (2022年12月11日 0時) (レス) @page45 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
りえまりこ(プロフ) - 何度も読み返したくなる作品で、何度読み返しても心が動かされます。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月9日 6時) (レス) @page45 id: 1f2c4c1078 (このIDを非表示/違反報告)
みんみん - めっちゃいいお話でした！！途中感動で泣いちゃいましたよ。思いが通じたところも最高でしたし、その後のしょっぴー先輩のお話もすっごく共感しました！登場人物みんなちょっとだけズルくて、でも正直で可愛いのがホント素敵でした。 (2022年4月25日 15時) (レス) @page45 id: d946c1f5c6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 今まで見た小説で一番好きです！最高すぎますし、天才です！気づいたら泣いちゃってました、、笑 めいさんの他の小説も読ませて頂きます！こんな素敵なお話読ませて頂いてありがとうございます！！ (2022年4月18日 3時) (レス) @page45 id: 8dc1188793 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
