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しばらくしてみんな徐々に酔い始めてきて、
いい加減最初の緊張感も無くなった。
「Aちゃん彼氏いないの？」
『いないよ〜』
「人数合わせだったらいるかもしれないじゃん」
『そんなんじゃないよ(笑)』
友達もいる手前正直にそんなこと言えない。
ひたすら可愛い子に徹する。
最初に話した子に気に入られたのか、ずっと隣に座って話し続けられていた。
「まじで？え、俺どう思う？」
『…んー、様子見！』
「何でよ！(笑)」
『慣れてそうだもん(笑)』
失礼だな〜って言いながら嬉しそうな顔。
何だこの茶番。
自分に全くその気がないから、だんだん相手に申し訳なくなってくる。
すると突然髪を掬われた。
え？って驚いていると「めっちゃ髪綺麗だね」って褒められる。
…酔ってるのかな。
あまり触らないで欲しいけど空気壊したくないし仕方ない。
『そう？ありがと(笑)』
「てか爪も可愛いね。ちょっと見せて」
『え、あぁ、』
返事をする前に手を触られた。
「自分でやったの？」って聞いておきながら指を絡ませてきたから、多分ネイルには1ミリも興味ない。
『…あの、ちょっとさ』
「……ねえ、この後2人で抜けない？」
『え？』
「俺結構本気になっちゃったかも」
指を絡ませたままそう言われる。
とんでもない。
こっちは人数合わせだってのに。
面倒くさい。
でも友達もいるし突っぱねにくい。
とりあえずこの手を離して欲しい。
どうしよう、と考えてたら握られている方の手首を掴まれた。
その反動で男の子の手が離れる。
反射的に振り向くと、
『……え、』
「…お前何されるがままになってんの」
息を切らした翔太が後ろに立っていた。
突然のことに頭が真っ白になる。
男の子も、周りのみんなも驚いて「え？誰」「え、待って渡辺くん？」って小さな声が聞こえた。
「もー遅いわしょっぴー」
「色々あったんだよ俺も」
康二くんだけがいつも通り。
ポカンとしてたら「ほら行くぞ」って引っ張られる。
『え、ちょ、』って引っ張られるがまま立ち上がった。
「っちょ、何だよお前！」
「あぁすみません、こいつ俺のなんで」
「は、？」
「勝手に手懐けようとしないでもらえます？」
俺にも懐いてないから多分無理だけどって笑って、
私のカバンを持って「はい回収ー」って手を引いて歩いていく。
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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした！ (2021年11月14日 8時) (
レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
